みなさんこんにちは、tomotabitripです。
今回は例年1〜3月に運行される人気の観光列車「SL冬の湿原号」の車内の様子や乗車記をお届けします。
2023年の運行より5両全ての客車のリニューアルが完了しました。
SL冬の湿原号とは
「SL冬の湿原号」は例年1月〜3月に運行される臨時列車で、根室本線・釧網本線経由で釧路駅から標茶駅までの48.1㎞を結んでいます。
北海道で唯一蒸気機関車が牽引する客車列車です。
2023年の運行より5両全ての客車のリニューアルが完了し、外観はレトロな雰囲気ですが車内は木目調のとても綺麗な車両になりました。
停車駅・時刻
停車駅と時刻は以下の通りです。
釧路 | 東釧路 | 釧路湿原 | 塘路 | 茅沼 | 標茶 | |
---|---|---|---|---|---|---|
標茶行 | 11:05発 | 11:11着 11:12発 | 11:37着 11:38発 | 11:56着 11:58発 | 12:11着 12:12発 | 12:35着 |
釧路行 | 15:42着 | 15:34着 15:35発 | 15:08着 15:09発 | 14:38着 14:50発 | 14:24着 14:25発 | 14:00発 |
途中、釧路湿原の展望台「細岡展望台」の最寄り駅の釧路湿原やタンチョウがやってくる駅として有名な茅沼駅に停車します。
運転日(2024年)
1/20,21,26-28
2/2-12,16-18,23-25
3/1-6,8-10,15-17,20
運賃・指定席料金
「SL冬の湿原号」は全車指定席で自由席はありません。運賃の他、指定席料金が必要になります。
一例ですが釧路駅からの運賃は以下の通りです。
乗車区間 | 運賃 | 指定席料金 |
---|---|---|
釧路〜東釧路 | 200円 | 1,680円 |
釧路〜釧路湿原 | 440円 | |
釧路〜塘路 | 640円 | |
釧路〜茅沼 | 860円 | |
釧路〜標茶 | 1,290円 |
乗車券・指定席券の購入場所
・全国のJRのみどりの窓口
・えきねっと
えきねっとチケットレス指定席券も利用可能
「SL冬の湿原号」の指定席券は、えきねっとチケットレス座席指定券でも予約可能です。
事前に発券する必要が無いので、混雑する券売機やみどりの窓口へ並ぶ必要がなくなります。
リニューアルされた客車
「SL冬の湿原号」で使われる客車は国鉄時代より使われていたものですが、2021〜2022年にかけてリニューアル工事が行われました。
外観は旧型客車の雰囲気を残しつつ、内装は木目調の壁、座席はボックスシートと窓を向いたカウンターシートが並ぶようになりました。
1・5号車 たんちょうカー
1・5号車は「たんちょうカー」として他の車両より一足早く、2022年の運行より内装がリニューアルされました。
窓側(釧路川側)を向いた2人掛けのカウンター席と、4人掛けのボックス席からなります。ボックス席側は一段高くなっていて景色がよく見れるよう工夫されています。
床、壁面は木目調、座席は赤色のモケットとなり明るく、落ち着いた感じの車両です。
車端部にはとても大きな窓と、壁に寄りかかれるようにクッションが配置されていました。
壁際にはなんとAC電源が3つある充電設備もあります。
2号車 ストーブカー(カフェカー)
2号車は「ストーブカー(カフェカー)」としてリニューアル。
ボックスシートのほか、車内販売カウンターがありSLグッズや軽食、地元の特産品などを販売しています。
車内にあるダルマストーブで焼けるスルメなどもここで販売されています。
3・4号車 ストーブカー
3・4号車は「ストーブカー」。2号車とは異なり車内全てが4人掛けのボックスシートの車両です。
タンチョウカーとデザインは同じですがストーブカーでは青色のモケットが使われています。
ストーブカーの名の通り客室内にダルマストーブが設置されていて、車内で購入したスルメなどを焼いて食べることができます。
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SL冬の湿原号 乗車記
出発は釧路駅
今回は道東中心、釧路駅にやってきました。
今回はここから標茶駅まで「SL冬の湿原号」に乗車します。
「SL冬の湿原号」は釧路駅の3番線から出発。
「SL冬の湿原号」が釧路駅に入線
10:40頃 帯広方にある釧路運輸車両所から白煙と汽笛が聞こえてくるとC11を先頭に「SL冬の湿原号」がやってきました。
今回はこの入線の様子を見るため早めに釧路駅に来ていました。
国鉄時代からの釧路駅のホームに客車列車が停車している様子はまるで国鉄時代の雰囲気がありますね。
先頭の蒸気機関車は大人気で多くの人が思い思いの写真を撮っていました。人が多いので落ち着いての写真撮影は難しいですね。
外がとても寒いのでSLからは蒸気がよく出ていました。
特急「おおぞら1号」と接続
10:57 札幌を6:48に出発した特急「おおぞら1号」が4時間の旅を終え到着。
「SL冬の湿原号」はこの「おおぞら1号」から接続できるようなダイヤが組まれているので釧路に前泊する必要はありません。この日も多くの人がこの「おおぞら」からやってきました。
ただし、「SL冬の湿原号」の釧路駅に入線する様子を見るならば、釧路に前泊するか釧路空港経由で釧路に来る必要があります。
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宿泊記は最後にリンクがあります。
汽笛を鳴らして釧路駅を出発
11:05 SLの汽笛と共に釧路駅を出発。
釧路駅を出るとすぐに釧路川を渡ります。日によっては上流から流れてきた氷が川一面を覆った様子も見ることができますが今回は特にありませんでした。
11:11 東釧路駅に到着。
東釧路駅の駅舎はホームから離れた写真奥の建物。かつてこの間には複数の側線があった名残りだそう。
東釧路を出発すると根室本線と分かれ、いよいよ釧網本線の釧路湿原方面に向かいます。
冬の釧路湿原の中を走る
進行方向左側、釧路川と新釧路川を分ける「岩保木水門」が見えてくるといよいよ日本最大の湿原「釧路湿原」の中を走ることになります。
11:37 釧路湿原駅に到着。ログハウス風の駅舎が特徴的!
ここからは歩いて「細岡展望台」、「細岡ビジターズラウンジ」に行くことができます。
釧路湿原駅を過ぎると進行方向左側に釧路川が流れます。
冬季は休止駅となる細岡駅を通過ししばらくすると列車は釧路川と最接近する場所を通過します。
ここでは車内放送にて釧網本線と釧路川が最接近する場所との案内までありました。
見どころスポットということで列車は速度を落として通過してくれます!
塘路駅に到着
11:56 塘路駅に到着。上下列車交換可能な設備を持つ駅ですが、下り列車の場合は特に行き違いはなし。
夏はカヌー体験、冬はワカサギ釣りで知られる塘路湖があるためでしょうか、ここで下車する方が多くいました。
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野生動物との出会い
釧路湿原駅〜塘路駅間の沿線では木々が立ち並び遠くまで見ることが難しい区間ですが、塘路駅を過ぎると木々が減り遠くまで見渡すことができました。
ということで、頑張って野生動物探してみたところ・・・出会えました。野生のシカです。
凍った水面には白鳥の姿。
オオワシの姿もありました。
「SL冬の湿原号」の楽しみは雪積もる釧路湿原の景色もですが、その中で生息する野生動物を見ることができるのも楽しいポイントです!
12:11 最後の途中停車駅 茅沼駅に停車。
この茅沼駅は「タンチョウの来る駅」として知られ、昔は駅長の仕事にタンチョウの餌やりというのがあったそう。無人駅となった現在では地元の方が餌やりの仕事を行なっているとのこと。
駅の目の前にタンチョウの飛来地があり、列車の中からタンチョウの姿を見ることができます。
この茅沼駅を出発すると次は終点標茶駅に到着です。
終点 標茶駅に到着
12:35 釧路駅を出発して1時間30分、終点の標茶駅に到着。
標茶駅では網走発釧路行きの快速「しれとこ摩周号」と行き違い。
この快速「しれとこ摩周号」で釧路まで戻ると、13:42 発の特急「おおぞら8号」に乗ることができます。急いで戻らないといけない方はこの列車へ!
一度改札を出てみました。
雪積もり対策でもある大きな三角屋根が特徴的な標茶駅。
「SLのふるさと」というのは、「SL冬の湿原号」で使用されているC11-171号機がこの標茶町にある公園に1975〜1998年まで静態保存されていたためです。
駅隣の建物では地域の特産品などの販売スペースがあったので立ち寄ってみてください。
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復路に向けた準備作業
釧路から乗ってきた「SL冬の湿原号」は標茶駅で復路に向けた点検・入れ替え作業が行われます。鉄道好きに限らず人気の作業でした!
作業の流れは以下の通り。
降車確認後一度、釧路方面に後進。
ポイント切り替え後、2番線に入線しSLが切り離されます。
切り離されたSLは一度網走方面に進み、ポイント変わり次第3番線ホームに続く線路に入り整備・給水が行われます。
その後、3番線を一度通過し釧路方面に進みポイントを切り替えた後、2番線に停車中の客車と連結。停車位置を整えて出発に備えます。
標茶駅にはSLを方向転換させる転車台がないので、復路の場合SLは後ろ向きでの運転になります。
最後に
今回は例年1〜3月に1日1往復だけ運転される臨時列車「SL冬の湿原号」についてお届けしました。
JR北海道で走る唯一のSLであり、運行日数もあまり多くはないことからとても人気の列車です。2023年に全車両がリニューアル完了したこともあり車内はとても綺麗なのもポイントです!
温かい車内から雪積もる釧路湿原の景色、その中に住む動物たちの姿が楽しめる列車の旅に出てみてはいかがでしょう。
標茶駅到着後の入換作業も見所ですよ!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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