みなさんこんにちは、tomotabitripです。
エリア内であれば乗り降り自由になるフリーきっぷは鉄道旅においてとても便利なきっぷです。
今回はJR東日本の関東・甲信越・南東北の広範囲がフリーエリアかつ一部の私鉄・第三セクターも乗り降り自由、別途特急券を購入すれは新幹線・特急まで乗れてしまうJR東日本が発売しているフリーきっぷ「週末パス」についてお届けします。
旅の参考になれば嬉しいです。
週末パスとは
「週末パス」とはJR東日本が発売しているフリーきっぷで、土日祝日のうち2日間限定ですがフリーエリア内の鉄道が乗り放題のきっぷです。
このきっぷの魅力は何といってもフリーエリアの広さと乗れる路線の多さです!
後ほど詳しく紹介しますが、フリーエリア内のJR線に加えて一部の第三セクター・私鉄まで乗ることができます。
青春18きっぷ・秋の乗り放題パス・北海道・東日本パスでは乗れない路線にも乗ることができます!
週末パスのフリーエリア
週末パスのフリーエリアは以下の通り。
主に関東甲信越・南東北の広い範囲がフリーエリア。西は松本・南小谷駅から北は酒田・湯沢・くりこま高原まで。
このエリア内のJR線全線の他に以下の路線が乗車可能です。
私鉄・第三セクター | 区間 |
---|---|
阿武隈急行 | 福島~槻木 |
福島交通 | 福島~飯坂温泉 |
山形鉄道 | 赤湯~荒砥 |
会津鉄道 | 西若松~会津田島 |
ひたちなか海浜鉄道 | 勝田~阿字ヶ浦 |
鹿島臨海鉄道 | 水戸~鹿島 |
北越急行 | 六日町~犀潟 |
えちごトキめき鉄道 | 妙高高原~直江津 |
長野電鉄 | 長野~湯田中 |
しなの鉄道 | 軽井沢~妙高高原 |
アルピコ交通(松本電鉄) | 松本~新島々 |
上田電鉄 | 上田~別所温泉 |
富士急行 | 大月~河口湖 |
伊豆急行 | 伊東~伊豆急下田 |
JR線から直通運転があるような私鉄・第三セクターにも乗車可能で、上記路線内であれば別途運賃を買うことのなく乗り降りできるのがいいですね!
例)新宿から河口湖まで特急「富士回遊」、東京から伊豆急下田まで特急「サフィール踊り子・踊り子」に特急券+週末パスで利用できます。
週末パスの料金・購入方法
「週末パス」の料金は、
- 大人:8,880円
- 子ども:2,600円
2日間のきっぷなので、1日分は大人4,440円、子ども1,300円になります。
「週末パス」は以下の場所で購入することができます。
- えきねっと
- フリーエリア内のJR東日本の駅の指定席券売機
- みどりの窓口
- JR EAST Travel Service Center(JR東日本 駅たびコンシェルジュ)
- 提携販売センターおよび主な旅行会社
私はいつも指定席券売機で購入していました。
週末パスの発売期間・利用期間
週末パスの発売期間は、
- 有効期間開始日の1か月前~前日まで
(2025年3月28日まで)
つまり、乗車日の1か月前~前日までが発売期間になります。
えきねっとで前日までに購入してあれば、当日指定席券売機で発券することができるので、前日までに駅に買いに行く必要はありません
利用期間は
- 2025年3月30日までの土日祝日で連続する2日間
(4/27~5/6、8/10~19、12/28~1/6の期間は利用できません)
基本的には土日の「週末」の連続する2日間の使用になりますが、金曜日もしくは月曜日が祝日で3連休となった場合はそのうちの連続する2日間が利用期間になります。
例えば【土・日・月】で3連休の場合、【土・日】もしくは【日・月】での使用ができます。
【購入期限に注意】
- 【土・日】で使用する場合は、購入期限は前日の金曜日まで
- 【日・月】で使用する場合は、購入期限は前日の土曜日まで
週末パスの特徴
別途、特急券を買えば新幹線・特急にも乗車可能!
青春18きっぷ等と異なり「週末パス」はフリーパスタイプの乗車券です。そのため別途、特急券を購入すればフリーエリア内の新幹線・特急列車に乗車可能です。
フリーエリア内の乗車可能な新幹線は以下の通り。
エリア内の新幹線
- 東北新幹線:東京~くりこま高原
- 山形新幹線:東京~新庄
- 上越新幹線:東京~新潟
- 北陸新幹線:東京~上越妙高
JR東日本エリア内のフリーパスですので、東海道新幹線や上越妙高~金沢間(JR西日本区間)の北陸新幹線には乗車できません。
JR線以外にも14もの私鉄・第三セクターに乗車可能!
「週末パス」ではJR東日本の路線以外にも全部で14もの私鉄・第三セクターに乗車することが可能です。
路線 | 区間 |
---|---|
阿武隈急行 | 福島~槻木 |
福島交通 | 福島~飯坂温泉 |
山形鉄道 | 赤湯~荒砥 |
会津鉄道 | 西若松~会津田島 |
ひたちなか海浜鉄道 | 勝田~阿字ヶ浦 |
鹿島臨海鉄道 | 水戸~鹿島 |
北越急行 | 六日町~犀潟 |
えちごトキめき鉄道 | 妙高高原~直江津 |
長野電鉄 | 長野~湯田中 |
しなの鉄道 | 軽井沢~篠ノ井、長野~妙高高原 |
アルピコ交通(松本電鉄) | 松本~新島々 |
上田電鉄 | 上田~別所温泉 |
富士急行 | 大月~河口湖 |
伊豆急行 | 伊東~伊豆急下田 |
JR線との直通列車が数多く運行されている路線にも使えるのがポイントです。
- 大月~河口湖:富士急行線
- 伊東~伊豆急下田:伊豆急行線
この路線ではJR線と直通する列車の運行があるので、別途特急券を購入していれば特急列車で乗り通すことができますし、普通列車の場合では「週末パス」のみで乗り通すことができます。
通常ならば一度改札を出て乗車券を購入するか、下車駅で清算する必要がありますが「週末パス」であればその手間が必要ありません。
温泉・観光地へのアクセスに私鉄・第三セクターを利用するのもあり!
- 福島~飯坂温泉:福島鉄道:飯坂温泉
- 長野~湯田中:長野電鉄:湯田中温泉
- 上田~別所温泉:上田電鉄:別所温泉
- 大月~河口湖:富士急行:富士山等
- 伊東~伊豆急下田:伊豆急行:伊豆の温泉地
近くまで新幹線で来て上記の路線に乗り換えて最寄りの観光地へ。
「週末パス」を持っているだけで旅のプランが広がりますね!
週末パスで元を取るにはどれくらい乗る?
「週末パス」はフリーエリアが広いうえ年中発売しているのでとても使いやすいフリーきっぷですが、やはり元を取るにはどれだけ・どこまで乗ればいいのか気になってしまうところですよね。
また、フリーきっぷなのに単純往復だけで元が取れるの?のような疑問にもお答えしていきたいと思います。
まずは元が取れる距離は以下の通り。
- 片道の場合:大人:541km以上(8,910円)、子ども:301km以上(2,750円)
- 往復の場合:大人:241km以上(4,510円)、子ども:141km以上(2,610円)
541km以上ですと言われてもぱっと想像が難しいと思うので、主要な駅からの距離と料金を表にしてみました。
東京 | 福島 | 仙台 | 山形 | 新庄 | 新潟 | 松本 | 長野 | |
東京 | 272.8 km 4,840円 | 351.8 km 6,050円 | 359.9km 6,050円 | 421.4 km 7,150円 | 333.9 km 5,720円 | 235.4 km 4,070円 | 222.4 km 4,070円 | |
福島 | 272.8 km 4,840円 | 79.0 km 1,340円 | 87.1 km 1,520円 | 148.6 km 2640円 | 180.1 km 3,410円 | 497.3 km 8,030円 | 434.6 km 7,150円 | |
仙台 | 351.8 km 6,050円 | 79.0 km 1,340円 | 62.8 km 1,170円 | 114.7 km 1,980円 | 249.8 km 4,510円 | 587.2km 9,130円 | 513.6 km 8,360円 | |
山形 | 359.9 km 6,050円 | 87.1 km 1,520円 | 62.8 km 1,170円 | 61.5 km 1,170円 | 187.0km 3,410円 | 595.3km 9,460円 | 521.7 km 8,580円 | |
新庄 | 421.4 km 7,150円 | 148.6 km 2640円 | 114.7 km 1,980円 | 61.5 km 1,170円 | 199.0 km 3,740円 | 656.8km 10,010円 | 583.2km 9,460円 | |
新潟 | 333.9 km 5,720円 | 180.1 km 3,410円 | 249.8 km 4,510円 | 187.0km 3,410円 | 199.0 km 3,740円 | 268.9km 4,850円 | 206.2km 3,750円 | |
松本 | 235.4 km 4,070円 | 497.3 km 8,030円 | 587.2 km 9,130円 | 595.3 km 9,460円 | 656.8 km 10,010円 | 268.9 km 4,850円 | 62.7km 1,170円 | |
長野 | 222.4 km 4,070円 | 434.6 km 7,150円 | 513.6 km 8,360円 | 521.7 km 8,580円 | 583.2km 9,460円 | 206.2 km 3,750円 | 62.7km 1,170円 |
※ルートはは新幹線・特急を使い、できる限り最短距離で作成
東京を出発駅とした場合、福島駅以北、新潟駅以遠だと往復で元が取れるようになります。
片道で元を取るにはかなり移動しなければならず、仙台・山形・新庄~松本駅、新庄~長野駅でようやく片道で元が取れるくらいの距離になります。
ここで注意しておきたいのが東京~松本・長野の単純な往復では元が取れないところでしょうか。
週末パス+特急券はえきねっとトクだ値と比べると安いのか?
JR東日本ではえきねっと限定で新幹線・特急を購入する際、早期割引サービスで「えきねっとトクだ値」、「お先にトクだ値」があります。
この「トクだ値」と「週末パス+特急券」どちらが安くなるのか見てみましょう。
ここでは東京駅発で「えきねっとトクだ値」が設定されている新幹線の主な区間で比較して見てみます。
区間 | 通常運賃+特急券 | 週末パス+特急券(片道) | えきねっとトクだ値 | お先にトクだ値 |
---|---|---|---|---|
東京~福島 (やまびこ利用) | 9,310円 | 8,910円 | 8,010円 | 6,220円 |
東京~仙台 (やまびこ利用) | 11,290円 | 9,680円 | 9,790円 | 7,610円 |
東京~山形 | 11,650円 | 10,040円 | 10,110円 | 7,860円 |
東京~新庄 | 13,200円 | 10,490円 | 11,510円 | 8,940円 |
東京~新潟 | 10,960円 | 9,680円 | 9,490円 | 7,380円 |
東京~長野 (あさま利用) | 8,540円 | 8,910円 | 7,320円 | 5,680円 |
東京~上越妙高 (はくたか利用) | 9,640円 | 8,910円 | 8,310円 | 6,450円 |
単純な往復であれば「お先にトクだ値(30%割引)」が一番安くなりますし、「えきねっとトクだ値(10%割引)」の場合では「週末パス+特急券」よりも安くなる区間が多いです。
13日前より前にあらかじめ予定が決まっていて単純な往復かつ新幹線の下車駅から乗り換えなどがない場合には「えきねっとお先にトクだ値」で購入するのが一番安くなりなります。
「週末パス+特急券」は「通常運賃+特急券」で買うよりもだいぶ安くなります(一部を除く)。
「週末パス」を利用した方がいい場合は下車駅がポイントです。
目的地が主要駅でない場合は新幹線から在来線に必要があります。その場合「えきねっとトクだ値」のきっぷでは目的地まで行けず、別途、新幹線下車駅~目的地までの乗車券を購入する必要があります。
「週末パス」であればフリーエリア内に目的地があれば新幹線・特急を降りた後、追加で乗車券を購入することなく目的地に行くことができます。
結果として、乗車駅~新幹線・特急乗車駅までと新幹線・特急下車駅~目的地駅までの乗車券の合計で「週末パス」とどちらが安くなるか考える必要があります。
週末パスで鉄道旅に出よう!
「週末パス」の魅力は何といっても自由度の高さ!
特急、新幹線に乗っても良し、在来線に乗っても良し。時刻表片手に色々な計画を立ててしまいますね。
ここでは「週末パス」を使ってJR東日本の運行する観光列車の旅がおすすめ!。
「週末パス」のフリーエリア内には以下のような観光列車の運行があります。
- 仙台~小牛田~新庄:快速「湯けむり号」
- 新潟~酒田:快速「海里」
- 上越妙高~十日町、越後湯沢など:快速「越乃Shu*Kura」
- 小淵沢~小諸:快速「HIGH RAIL 1375」
- 長野~十日町:快速「おいこっと」 など
他にもSLの観光列車が週末を中心に定期的に運行があります。
- 新津~会津若松:快速「SL ばんえつ物語号」
- 高崎~水上:快速「SLぐんまみなかみ号」
- 高崎~横川:快速「SLぐんま横川号」
これらの観光・SL列車に新幹線・特急を使って乗車駅まで向かうことができるのも「週末パス」のうれしいところですね。
週末パスを使った旅の一例を紹介!
ここでは「週末パス」を使った旅の例の紹介です。
上野~仙台間を常磐線・新幹線で往復
あわせて読みたい
-
【特急ひたち3号】全線復旧した常磐線特急ひたち3号乗車記(上野→仙台)
2024/8/16
東日本大震災の影響で不通区間のあった常磐線が全線復旧した際、上野→仙台まで常磐線、仙台→東京は新幹線で乗ってきました。
きらきらうえつ(現:海里)の旅(新潟~酒田)
あわせて読みたい
-
【きらきらうえつ】485系を改造!!日本海を眺めながら走る観光列車に乗車!!
2023/3/31
新潟~酒田駅間を運行していた「きらきらうえつ」に乗車した時もこの「週末パス」を利用しました。現在は「きらきらうえつ」は廃止となり同区間を「海里」が運行しています。
東京→新潟→酒田→新庄→東京とぐるっと回るような行程で南東北を巡る旅です。
最後に
今回はJR東日本の関東・甲信越・南東北の広範囲がフリーエリアとなるきっぷ「週末パス」についてお届けしました。
フリーエリア内のJR線だけでなく14もの私鉄・第三セクターが乗り放題かつ、別途特急券を購入すれば新幹線・特急列車も乗ることができるきっぷです。
利用期間は週末の連続した2日間と制限があるものの、通年を通して発売しているので比較的利用しやすいのではないでしょうか。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。