みなさんこんにちは、tomotabitripです。
2020年3月15日、常磐線が9年ぶりに全線で運転を再開した翌日に、上野駅から仙台駅まで特急「ひたち3号」に乗車しました。
乗り換えなしで東京から仙台まで太平洋沿いを走り、復旧した区間の様子を車窓から見られるのが魅力です。新幹線より時間はかかりますが、移動そのものを楽しみたい人には特におすすめの列車です。
この記事では、ひたち3号の基本情報・料金・おすすめ座席から、実際の乗車の様子までまとめてご紹介します。
【ひたち3号とは】

特急「ひたち3号」は、JR東日本が常磐線経由で品川〜仙台間に毎日運行している定期特急です。東日本大震災の影響でいわき以北の直通特急は長く途絶えていましたが、2020年3月14日の全線運転再開にあわせて9年ぶりに復活しました。運転再開当初はひたち3号だけが上野駅始発でしたが、現在は品川駅始発になっています。

ほとんどの「ひたち」はいわき止まりで、仙台まで直通する下り列車は3・13・21号の1日3本だけです。茨城・福島の太平洋沿い、最後に復旧した富岡〜浪江間、津波の被害を受けて内陸に移設された新線区間を一度に乗り通せるのが、この列車に乗る理由です。
【基本情報】
| 列車名 | 特急「ひたち」3号 |
|---|---|
| 運行区間 | 品川〜仙台(乗車時は上野始発) |
| 乗車日 | 2020年3月15日(日) |
| 乗車区間 | 上野 8:00発 → 仙台 12:28着(約4時間28分) |
| 使用車両 | E657系 10両編成 |
| 利用したきっぷ | 乗車券:週末パス(現在は発売終了)/特急券:えきねっとで購入 |
使用車両|E657系

常磐線特急専用のE657系10両編成で、5号車がグリーン車、ほかは普通車です。全車指定席で自由席はありません。
普通車・グリーン車とも2+2列のリクライニングシートで、全席のひじ掛けにコンセントがあり、無料Wi-Fi「JR-EAST FREE Wi-Fi」も使えます。
車内販売は東京〜いわき間のみで、いわき以北ではありません。
停車駅・時刻表|ひたち3号
| 駅名 | 時刻 |
|---|---|
| 品川 | 7:43発 |
| 東京 | 7:51着 7:52発 |
| 上野 | 7:58着 8:00発 |
| 柏 | 8:27着 8:27発 |
| 土浦 | 8:49着 8:50発 |
| 水戸 | 9:18着 9:19発 |
| 勝田 | 9:24着 9:25発 |
| 常陸多賀 | 9:36着 9:37発 |
| 日立 | 9:41着 9:41発 |
| 磯原 | 9:56着 9:57発 |
| 泉 | 10:11着 10:12発 |
| 湯本 | 10:16着 10:17発 |
| いわき | 10:23着 10:25発 |
| 広野 | 10:42着 10:43発 |
| 富岡 | 10:58着 10:58発 |
| 大野 | 11:06着 11:07発 |
| 双葉 | 11:11着 11:12発 |
| 浪江 | 11:16着 11:16発 |
| 原ノ町 | 11:31着 11:32発 |
| 相馬 | 11:47着 11:48発 |
| 仙台 | 12:27着 |
2026年3月14日改正ダイヤ・土休日(平日は柏のみ8:28着・8:28発)(出典:JR東日本時刻表)
料金|品川・東京・上野〜仙台
| 座席 | 運賃 | 料金 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 普通車指定席 | 6,600円 | 2,900円 | 9,500円 |
| グリーン車 | 6,600円 | 6,560円 | 13,160円 |
品川・東京・上野〜仙台、おとな片道。料金は普通車が特急料金、グリーン車が特急料金+グリーン料金。2026年3月14日運賃改定後の料金。自由席はありません(出典:JR東日本)
常磐線特急の特急料金は通年同額で、繁忙期・閑散期の差はありません。特急券を持たずに乗車し車内で購入すると260円増しになります。
予約・きっぷの取り方|えきねっと・指定席券売機
特急券は乗車日の1か月前10時から発売され、えきねっとではその1週間前14時から事前受付ができます。えきねっとなら座席表から好きな席を選べます。予定が決まらない場合は、駅の窓口・指定席券売機で「座席未指定券」(指定席と同額)を買っておくと、空いている席に座れます。
品川〜仙台は交通系ICカードのエリアをまたぐため、乗車券は事前に紙のきっぷで購入してください。筆者は当時、特急券をえきねっとで購入し、乗車券には週末パスを使いました(週末パスは2025年6月に発売終了)。
ひたち・ときわの「在来線チケットレス特急券(トク割)」は2026年9月30日乗車分、チケットレス特急券の100円引きは同日購入操作分で終了しました。10月以降は所定料金での利用が基本となるため、期間限定の割引きっぷが出た際に活用するのがおすすめです。
おすすめ座席|普通車A席(海側)
- 理由①:日立〜いわき〜富岡付近でところどころ太平洋が見える(景色)
- 理由②:内陸に移設された新地〜浜吉田付近の高架区間も海側から見渡せる
A席は東側のため、午前中に走るひたち3号では日差しが入ります。まぶしさを避けたい場合や作業をしたい場合はD席を選びましょう。
ここからは、実際にひたち3号に乗車した様子をご紹介します。
【乗車記】上野〜仙台4時間半、全線復旧した常磐線を乗り通す
上野駅|「仙台」の表示が戻った地平ホーム

📷[写真:発車標の「仙台」表示・上野駅17番線のE657系・]
この日のひたち3号は、上野駅の地平ホーム17番線から出発しました。上野東京ラインの開業前は、東北・北陸方面への列車が発着していたターミナルです。

発車標には震災以来約9年ぶりに「仙台」の文字が表示され、側面の行先表示器も「仙台行」でした。

16・17番線ホームには、上野駅の社員による「つながる常磐線」の寄せ書きが掲示され、駅全体が全線開通を祝う雰囲気でした。
上野〜水戸|梅まつりで偕楽園駅に臨時停車

8:00に上野駅を発車し、柏・土浦に停車して水戸へ向かいます。この日は水戸の梅まつり期間中だったため、偕楽園駅に臨時停車しました。

水戸駅の手前では、構内に北斗星塗装のEF81が留置されているのが見えました。
勝田〜いわき|右側の車窓に太平洋

勝田駅には、直前に引退した651系の付属編成4両が留置されていました(その後廃車)。

日立駅が近づくと線路は沿岸部に出て、進行方向右側の家並みの間から太平洋が見えてきます。

日立駅には海を一望できるカフェが併設されているので、利用する際は立ち寄ってみてください。
いわき〜浪江|単線区間と最後に復旧した区間

いわき駅から先は運行本数が減り、線路も単線になります。

真新しい堤防と畑の間を走り、広野駅に停車。

広野駅に到着。

富岡駅では、駅前に盛土が残り重機が動くなど、復旧工事が続いていました。

富岡〜浪江間は、常磐線で最後に運転を再開した区間です。つつじで知られる夜ノ森駅を通過しましたが、この時は除染の影響で切り株だけになっていました。再び満開のつつじが見られる日が楽しみです。
原ノ町〜岩沼|内陸に移設された新線区間

原ノ町駅に到着。E531系の運行区間は品川駅から原ノ町駅まで。原ノ町駅〜仙台駅間は701系やE721系が担当になります。
原ノ町駅はすでに仙台近郊区間の駅で上野から約3時間30分です。

相馬駅に到着。この先駒ヶ嶺駅〜浜吉田駅間は津波の影響が大きく、常磐線の線路を内陸へ移設し復旧した区間になります。

相馬駅を過ぎると、新地駅の手前で線路は緩やかに左へカーブし、津波の被害を受けて内陸へ移設された区間に入ります。

ほとんどが高架で、高架駅になった山下駅では仙台からの普通列車とすれ違い、浜吉田駅の手前で元の線路に合流しました。

逢隈駅の先では全長約690mの阿武隈橋梁を渡り、景色が開けるので見逃さないようにしてください。
仙台駅|上野〜仙台間の在来線の旅も終点へ

岩沼駅からは東京・日暮里駅で別れた東北本線と合流。

長町駅を過ぎると到着案内が流れます。

上野から約363km、定刻12:28から3分遅れの12:31に仙台駅に到着しました。

仙台駅でもホームの掲示板や階段の壁に全線開通を祝う広告が並び、柱には常磐線沿線の観光地が紹介されていました。
【良かった点・気になった点】
上野駅の地平ホームから「仙台行」が出発する光景は感慨深く、沿線のあちこちで復旧の歩みを感じられる乗車でした。
所要時間は新幹線に及びませんが、時間に余裕があり、車窓を楽しみながら移動したい日なら十分に乗る価値があります。
【まとめ】
今回は、特急「ひたち3号」の上野〜仙台間の乗車記をお届けしました。
- ✓ 東京〜仙台を乗り換えなしでのんびり移動したい人
- ✓ 在来線特急での長距離乗車にこだわる人
- ✓ 太平洋沿いの車窓と常磐線の復旧の歩みを楽しみたい人
現在のひたち3号は品川始発となり、上野駅の地平ホームには発着しません。
東京〜仙台の移動に、新幹線ではなく特急「ひたち」を選んでみてはいかがでしょうか。
同じ区間を速く移動したい場合は、途中停車2駅のやまびこ131号の乗車記もあわせてご覧ください。