皆さんこんにちは、tomotabitripです。
今回は函館~札幌間を函館本線山線経由で運行された臨時特急ニセコ号の紹介と乗車記をお届けします。
臨時ニセコ号とは
札幌~函館の間を長万部からニセコ・倶知安・小樽を経由して運行された1日1往復の臨時特急となります。
長万部~小樽間の函館本線(特に長万部~倶知安は1日数本しか走らない)はローカル路線ですが、その中を特急型車両が走るだけでも珍しいです。
特急「北斗」が走る海沿いの室蘭本線と異なり、羊蹄山の車窓を楽しむことができます。
運行ダイヤ(2019年)
特急ニセコは1日1往復の運行です。
乗車時間は片道5時間53分でした。
運転日(2021年)
2021年9月4日~6日、9日~19日
の14日間となっています。
料金
乗車券:5,400円 札幌~函館(函館本線経由)
指定席料金:2,900円
車両・座席
車両
キハ183系気動車 3両編成(指定席2両、自由席1両)
(JR北海道公式HPより)
2019年はキハ183系の3両編成を使用しました。
2021年はキハ183系5200番台ノースレインボーエクスプレスが使用されます。
座席
3両すべてが、普通席横4列シートとなっています。グリーン車は連結されておらず、コンセントなどもありません。
今回乗った車両の座席はグレードアップしていない旧シートタイプでした。
オススメの座席
キハ183系は、数少ない前面展望の座席がある車両です。
・函館行:3号車(自由席なので早い者勝ちです)
・札幌行:1号車17番A・B席
函館行:車両左側(羊蹄山や噴火湾が見えます)
札幌行:車両右側(羊蹄山や噴火湾が見えます)
山側は上記の逆の席となります。
特急ニセコ乗車記
函館駅入線
13時40分、今回乗車するキハ183系 臨時特急「ニセコ号」が3両編成で札幌からやってきました。
前面は「ニセコ」特別幕でしたが側面は「特急」の表示でした。
「ニセコ号」は函館駅到着後、車内性清掃を行い18分停車した後、再び札幌駅へ戻ることになります。
函館駅での出発案内板には今回乗車する特急ニセコ札幌行き(小樽経由)の他、5分前に室蘭線経由で札幌へ向かうの「スーパー北斗13号」の表示もあります。
「スーパー北斗13号」は札幌駅に17時41分に到着しますが、「ニセコ号」では札幌駅に19時27分に到着と約1時間30分遅れての到着になります。距離的には山線経由の方が短いですがニセコ号は観光特急の意味合いもありゆっくり走ることになります。
函館駅から出発
札幌行きの場合でも側面の方向幕は変わらず「特急」幕でした。
函館駅で並んだ3種類の列車。左から札幌行き「スーパー北斗13号」、新函館北斗行き「はこだてライナー」、札幌行き「ニセコ号」。
頭端式ホームの函館駅だからこそ撮ることができる光景です。
13時58分、時刻通り函館駅を出発。札幌駅まで函館本線 山線経由での約6時間の長旅が始まります。
函館駅を出発すると、五稜郭・新函館北斗に停車。新函館北斗からは新幹線からの乗客を乗せ峠を越えていきます。
観光地として有名な大沼公園駅を通過ししばらくすると、進行方向右側に「駒ケ岳」が見えてきました。
乗車した時はあいにくの天気で、山頂付近には雲がかかり山全体を見ることはかないませんでした・・・。
噴火湾沿いを走行
14時57分、函館駅を出発して約1時間で森駅に到着。
森駅から先は噴火湾沿いに沿って走ることになり、車窓の景色も山から海へと変わります。
海の向こうにうっすらと見えるところは、洞爺・伊達紋別があるあたりでしょうか。湾に沿って沿岸部を走行するので、はるか先の様子を見ることができます。
この海沿いの景色を見るには進行方向右側の座席になります。
長万部駅から山線へ
15時47分、函館本線と室蘭本線の分岐駅となる長万部駅に到着。普段は特急列車が停まらない3番線へ入線します。
この長万部駅では11分間の停車時間がありホームに降りることができました。
長万部のご当地キャラクタ―「まんべくん」もいました。
15時58分、時刻通り長万部駅を出発。出発後左側にカーブしながら噴火湾を離れ一路山越え区間へと入ります。
山線区間に入り最初の停車駅 黒松内駅に停車。
この先、熱郛(ねっぷ)駅を過ぎると目名(めな)峠に差し掛かります。最大勾配が20パーミルの坂をエンジンをうならせながら登っていきます。
山線区間は開業は明治37年(1904年)と古く、トンネル掘削の技術(土木技術)がまだ発展してないときに敷設されたため峠越えでは勾配、カーブを多数使用し越えていくことになります。
このキハ183系でも線形が悪いこともありゆっくりとした走りでした。
ニセコ駅に到着
17時06分、この特急列車の由来にもなったニセコ駅に到着。国鉄では初めて片仮名表記の駅です。
ここでは7分間の停車時間がありました。
ホームではニセコ駅の看板犬がお迎えしてくれました。
車内販売では地元の特産品の販売も
ニセコ駅から倶知安駅の間では地元の観光協会の方が乗車し、特産品の車内販売がありました。
今回は
・「ミルク工房」のむヨーグルト
・ダチョウどら焼きサンド
・ミルクーヘン
を購入
どれもおいしかったです。
さて、ニセコ駅を出発してしばらくすると進行方向右側に羊蹄山が見られる・・・はずでしたが、ここでも熱い雲が山頂付近を覆ってしまい中腹あたりより下の様子しか見られませんでした(残念)。
天気が良いと「蝦夷富士」とも呼ばれる羊蹄山の景色を見ることができます。
17時27分、倶知安駅に到着。
現在では1~2両の普通列車しか来ない駅ですが、ホームは8両編成に対応できる長さがある大きな駅でした。
国鉄時代ではいかに大きな拠点駅だったのか感じられる規模です。
倶知安駅を出ると2つの峠を越えることになります。
俱知安駅~小沢駅間にある「俱知安峠」、小沢駅~銀山駅にある「稲穂峠」を越えて日本海を目指します。
小樽駅に到着
余市駅出発後しばらく列車は日本海に沿って走り、山線最後の峠「於多萌峠(おもたいとうげ)」を越えて18時38分、小樽駅に到着です。
観光地の小樽駅はこれまでの駅と異なり人が非常に多く、小樽駅から乗り込む方もいました。
ホームのアナウンスでは誤乗車防止のためか「特急列車であり乗車には特急券が必要」ということをしきりにアナウンスしていました。
小樽駅からは電化され、線形も整った函館本線を特急列車らしい速度で走り終点札幌駅を目指します。
約5時間半の長旅!!札幌駅到着
19時27分、函館駅を出発して5時間29分。特急「ニセコ号」は終点の札幌駅に到着。
全ての乗客の降車を確認後、回送列車として苗穂運転所へ走り去っていきました。
最後に
今回は函館駅~札幌駅間に函館本線 山線経由で運行された臨時特急「ニセコ号」札幌行きの乗車記をお届けしました。
乗車時間は約5時間半と長時間にはなるものの、途中の停車駅では約10分程度の停車時間がありホームに降りることができました。
普通列車しか通らない函館本線山線(長万部~小樽)区間をを特急列車で乗り通すことができる唯一の列車になります。
キハ183系も少しずつ数を減らしていく中で、この183系での臨時特急「ニセコ」がいつまで継続されるかわかりませんので、ぜひ乗ってみて欲しい列車です。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。