みなさんこんにちは、tomotabitripです。
今回は、網走と釧路を釧網本線経由で結ぶ「しれとこ摩周号」を紹介します。オホーツク海、斜里岳、摩周、釧路湿原と、道東の絶景を約3時間で駆け抜ける1日1往復だけの列車です。
筆者は2021年に網走から釧路まで乗車しました。記事の前半では現在の時刻表・車両・座席・指定席の情報を、後半では実際の乗車の様子をまとめています。
この記事でわかること
- しれとこ摩周号の時刻表と停車駅
- おすすめ座席(オホーツク海・釧路湿原が見えるのは左右どちら側か)
- 夏季の指定席の設定と、トイレなど車内の設備
- 網走→釧路の乗車記と、乗って感じた良かった点・気になった点
【しれとこ摩周号とは】釧網本線を1日1往復する列車

「しれとこ摩周号」は、網走駅と釧路駅を釧網本線・根室本線経由で結ぶ列車です。1日1往復だけ運転され、釧網本線の定期列車で愛称がついているのはこの列車だけです。
2018年3月16日以前は快速「しれとこ」として運転されていました。2017年に阿寒国立公園の名称が阿寒摩周国立公園に変わったことを受け、沿線自治体からの要望もあって現在の「しれとこ摩周号」に改称されています。
かつては快速列車でしたが、停車駅が増えてほぼ各駅停車となり、2024年3月16日のダイヤ改正で普通列車になりました。愛称はそのまま残っています。同じ改正で車両もキハ54形からH100形に置き換わりました。
【基本情報】時刻表・料金・おすすめ座席
使用車両|H100形、トイレあり
現在はH100形気動車で運転されています。通常は1両編成で、座席はボックスシートとロングシートの組み合わせです。車内には車いす対応のトイレがあるので、約3時間の乗車でも安心です。
筆者が乗車した2021年は、斜里岳・摩周湖・釧路湿原が描かれたヘッドマーク付きのキハ54形でした。
停車駅・時刻表|主な駅の発着時刻
- 停車駅:網走・桂台・鱒浦・藻琴・北浜・原生花園※・浜小清水・止別・知床斜里・中斜里・清里町・札弦・緑・川湯温泉・美留和・摩周・磯分内・標茶・茅沼・塘路・細岡※・釧路湿原※・遠矢・東釧路・釧路
- ※原生花園・細岡は臨時駅で、営業期間中のみ停車(原生花園は例年5月〜10月、細岡は例年4月下旬〜11月)
- ※釧路湿原は釧路行きが通年停車、網走行きは冬季通過
- 網走行きは、細岡〜塘路と原生花園〜北浜の景勝区間で速度を落として走ります
※2026年9月時点の時刻です。最新の時刻はJR北海道の公式サイトなどでご確認ください。
料金|乗車券だけで乗れる、フリーパスも利用可
普通列車なので、自由席なら乗車券だけで乗車できます。網走〜釧路の運賃は4,400円です(2025年4月の運賃改定後)。
道東をめぐるなら、フリーパスを使うとお得になる場合があります。たとえば「釧網線フリーパス」(おとな5,400円)は、釧路〜網走間の普通・快速列車の自由席に3日間乗り降り自由で、しれとこ摩周号にも乗れます。網走〜釧路を往復するだけで、片道4,400円の普通運賃より安くなります。2026年度版の利用期間は2027年2月28日まで。駅では買えず、JR北海道 e-PassやJAL MaaSなどのWebサイトで購入します。
指定席・きっぷの取り方|通常は予約不要
しれとこ摩周号は通常は全席自由席で、予約は不要です。観光客の多い夏季には車両を増結し、指定席を設定した年があります。
- 2024年夏:釧路発網走行きを2両に増結。8月下旬〜9月の土休日は、増結車両のボックスシートを釧路〜川湯温泉で指定席として発売
- 2025年夏:7月1日〜8月31日の毎日、釧路発網走行きを2両に増結。2号車のボックスシートが指定席(座席指定券840円)
指定席が設定される場合、座席指定券は駅のみどりの窓口・指定席券売機・えきねっとで購入でき、車内では発売されません。2026年夏は花咲線で「海側指定席」が設定されましたが、釧網線のしれとこ摩周号では指定席の設定は発表されませんでした。
なお、網走発の列車は10:24発と早く、札幌・旭川方面からその日のうちに乗り継ぐことができません。網走発に乗る場合は網走で前泊が必要です。
おすすめ座席|オホーツク海と釧路湿原は反対側
車窓の見どころは左右に分かれています。網走から釧路へ向かう場合の見え方は以下のとおりです。
網走から釧路へ向かう場合、網走〜知床斜里は進行方向の左側、塘路〜釧路は右側がおすすめです。前半はオホーツク海、後半は釧路川と釧路湿原が楽しめます。景色の良い席から埋まっていくので、乗車駅には早めに着いておくと安心です。
釧路から網走へ向かう場合は左右が逆になり、釧路〜塘路は左側、知床斜里〜網走は右側がおすすめです。
ここからは、実際にしれとこ摩周号に乗車した様子をご紹介します。
【乗車記】網走→釧路、オホーツク海と釧路湿原の車窓
※2021年に乗車したときの記録です。当時は快速列車でキハ54形が使われており、現在とは時刻や車両が異なります。
網走駅|出発は3番線から、改札は15分前

今回は網走駅から、釧網本線の定期列車で唯一の優等列車だった快速「しれとこ摩周号」に乗って釧路駅を目指します。

改札の上の案内板には、出発時刻と出発番線が表示されています。しれとこ摩周号は3番線から10:24発。改札は出発の15分前に始まりました。

使用車両はキハ54形500番台の1両編成。釧路駅発の始発列車として網走駅までやってきて、しれとこ摩周号として釧路駅へ戻るダイヤが組まれていました。

ヘッドマークには斜里岳や摩周湖、釧路湿原などが描かれていました。

車両中央部の側面には【釧路行き】のサボ(列車行先札)が取り付けられています。

乗降口付近には【快速】の種別札が付いていました。
北浜〜浜小清水|オホーツク海と濤沸湖

列車は定刻どおり10:24に網走駅を出発し、釧路を目指す旅が始まります。今回は釧路湿原を見たかったので、進行方向右側の座席を選びました。

網走駅を出発して16分で北浜駅に到着。北浜駅は釧網本線でいちばんオホーツク海に近い駅で、2〜3月ごろには流氷が見られる駅として知られています。展望台もあり、高いところから海を眺められます。
北浜駅からの流氷の様子は、流氷物語号の乗車記をご覧ください。

かつての駅事務室を改装した喫茶店「停車場」が営業していて、次に訪れたときには立ち寄ってみたいところです。

北浜駅〜知床斜里駅間は、進行方向右側に濤沸湖、左側にオホーツク海が見えます。今回は右側の濤沸湖を眺めながら進みます。北浜駅〜浜小清水駅間には臨時駅の原生花園駅があり、営業期間中はこの列車も停車します。


網走駅を出発して26分で浜小清水駅に到着。無人駅ですが、道の駅「はなやか(葉菜野花)小清水」が併設されています。
知床斜里駅|反対方向のしれとこ摩周号と行き違い

網走駅を出発して37分で、知床国定公園の玄関口・知床斜里駅に到着。対向列車との待ち合わせのため3分間停車します。

しばらくすると、釧路駅を8:57に出発した網走行きの快速「しれとこ摩周号」がやってきました。釧網本線唯一の優等列車同士の行き違いです。
オホーツク海沿いを走る区間はここまで。釧網本線はここから進路を南へ変え、釧路を目指します。
清里町〜緑|斜里岳と野上峠越え

知床斜里駅〜札弦駅のあたりまでは平野部を走り、どこまでも続きそうな広大な北海道の景色が広がります。清里町駅付近では、天気が良ければ進行方向左側に標高1,547mの斜里岳が見えます。

網走駅を出発して1時間18分で緑駅に到着。この先の緑駅〜川湯温泉駅間は、急勾配・急曲線・多雪区間が続く、釧網本線でも険しい野上峠越えの区間です。
野上峠には最大25‰の急勾配があり、列車は時速40kmほどでゆっくり登っていきます。それまでの平坦な区間は時速80kmほどで走っていたので、かなり遅く感じました。
川湯温泉〜美留和|構内踏切と車掌車の駅舎

網走駅を出発して1時間36分、野上峠を越えて川湯温泉駅に到着。オホーツク管内から釧路管内に入りました。2面2線の駅で、ホームの間はホームの途中にある構内踏切で移動する昔ながらのつくりです(構内踏切にはわくわくしてしまいます)。
摩周湖・屈斜路湖の最寄り駅ですが、各湖への路線バスはなく、レンタカーかタクシーを利用するしかありません。

網走駅を出発して1時間44分で美留和駅に到着。駅舎はJR北海道でよく見かける車掌車を改造したものです。2019年に塗り直され、花壇も含めて手入れが続けられているようで、とてもきれいな外観でした。
摩周駅|阿寒摩周観光の拠点

網走駅を出発して1時間57分で摩周駅に到着。

当駅始発・終着の列車も設定されている、釧網本線の拠点駅です。阿寒摩周観光の拠点でもあり、摩周湖・屈斜路湖方面への路線バスも運行されていますが、しれとこ摩周号には接続していないため、タクシーやレンタカーの利用が必要です。
標茶駅|標津線の起点だった駅

網走駅を出発して2時間17分で標茶駅に到着。2面3線の駅で、冬季に運転される臨時列車「SL冬の湿原号」が発着します。

かつて標茶駅からは、中標津を経由して根室標津駅までを結ぶ標津線が走っていました。いまは2・3番線ホームに残る「標津線起点の碑」がその名残です。
塘路〜細岡|釧路川と釧路湿原

標茶駅を出てしばらくすると、列車は釧路湿原の中を走ります。両側の車窓に、遠くまで広がる湿原と釧路川、湖の景色が続きます。

進行方向右側には釧路川が並行して流れます。蛇行する釧路川とは、近づいたり離れたりを何度も繰り返します。

網走駅を出発して2時間39分で塘路駅に到着。塘路駅には、4月〜10月に運転される臨時列車「くしろ湿原ノロッコ号」が発着します。

塘路駅〜細岡駅間でも、釧路川と線路が近づく場所が何か所かあり、緑に色づいた景色がとてもきれいな区間でした。窓を開けて景色を眺められたのも良かったです。

当時の快速「しれとこ摩周号」で唯一、通年通過していた細岡駅を通過。細岡駅は2023年3月のダイヤ改正で、季節営業の臨時駅になりました。
東釧路駅|根室本線(花咲線)と合流

釧路湿原駅を過ぎ、進行方向右側に2つの塔(岩保木水門)が見えてくると、釧路湿原の区間も終わりです。沿線には少しずつ道路や住宅が見え始め、釧路の市街地に入っていきます。

網走駅を出発して3時間8分で東釧路駅に到着。釧網本線はこの駅までで、東釧路駅〜釧路駅間は根室本線を走ります。
東釧路駅では4分間停車し、釧路方面から来た根室本線(花咲線)の根室行き普通列車と接続します。ここで乗り換えれば根室方面にも向かえます。

新釧路川を渡ると、終点の釧路駅はもうすぐです。
釧路駅|169.1kmを走り終点に到着

網走駅を出発して3時間12分、169.1kmを走り終点の釧路駅に到着しました。しれとこ摩周号の旅はここまでです。乗ってきた列車は、乗客の降車を確認すると回送列車として釧路運輸車両所へ引き上げていきました。
当時は釧路駅で13:42発の特急「おおぞら8号」札幌行きに乗り継ぐことができ、帯広・札幌方面へ続けて移動できました。
【良かった点・気になった点】
オホーツク海沿いから峠を越えて釧路湿原へと、道東の景色を1本の列車で味わえるのが、しれとこ摩周号のいちばんの魅力でした。
【まとめ】しれとこ摩周号の時刻表・座席と乗車記
今回は、釧網本線を1日1往復する「しれとこ摩周号」の網走〜釧路の乗車記をお届けしました。
しれとこ摩周号はこんな人におすすめ
- オホーツク海と釧路湿原を1本の列車で楽しみたい人
- 網走〜釧路を乗り換えなしで移動したい人
- フリーパスで道東のローカル線をのんびり旅したい人
2024年3月のダイヤ改正で快速から普通列車になり、車両もH100形に変わりましたが、「しれとこ摩周号」の愛称は今も引き継がれています。
網走から釧路へ向かうなら、前半は左側でオホーツク海を、後半は右側で釧路湿原を楽しむのがおすすめです。景色の良い席から埋まるので、駅には早めに着いておきましょう。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。