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【乗車記】まもなく運行終了! 岩手を走るSL列車「SL銀河」乗車記(釜石→花巻)

2022年8月25日

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みなさんこんにちは、tomotabitripです。

今回は岩手県の花巻~釜石間をを走る観光列車「SL銀河」の乗車記になります。

 

SL銀河とは

東北地方の復興支援などを目的に岩手県で静態保存されていたC58 239号機を動態復元、客車はJR北海道で運用されていたキハ141系(元50系客車)を再改造して2014年より釜石線 花巻駅~釜石駅間(90.2km)で運行を開始した臨時列車です。

(引用:© OpenStreetMap contributors)

釜石線(岩手軽便鉄道)は岩手県出身の作家・宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」のモデルとなったそうで、SL銀河の客車は「銀河鉄道の夜」をイメージした造りになっています。

2022年3月に客車の老朽化を理由に2023年春でSL銀河の運転終了が発表されています。

停車駅・時刻

停車駅 釜石行 花巻行
花巻 10:36発 15:19着
新花巻 10:47着
10:50発
15:08着
15:06発
土沢 11:00着
11:04発
14:56着
14:53発
宮守 11:27着
11:39発
14:33着
14:26発
遠野 12:12着
13:31発
13:53着
11:46発
上有住 14:15着
14:20発
11:03着
10:58発
陸中大橋 14:35着
14:42発
10:40着
10:29発
釜石 15:10着 9:57発

料金

指定席料金:

・大人:840円

・子供:420円

乗車料金:

・花巻~釜石:1,690円

・花巻~遠野:860円

・釜石~遠野:860円

SL銀河は快速列車なので、青春18きっぷ北海道&東日本パスなどのフリーパスでも乗車できます。

運行方法

・土曜日が花巻発 釜石行

・日曜日が釜石発 花巻行

2日間で1往復の運行になります。

各車両の紹介

1号車:プラネタリウム・座席

1号車は車体にはさそり座が描かれています。形式はキハ142-701。

1号車にはプラネタリウム「月と星のミュージアム」があります。上映時間は約10分程度で「銀河鉄道の夜」をイメージした内容のプラネタリウムでした。

見るには整理券が必要ですので見たい方は乗車したら1号車にあるプラネタリウムの受付で整理券を受け取ってください(先着順になります)。

4人掛けのボックスシートが並びます。プラネタリウムがある関係で座席数は少な目。

車端部にあるギャラリーには沿線の工芸品が並びます。

蒸気機関車の後ろ姿もしっかり見えます。また仙人峠越えのときなどはこの運転台で機関士と連携しながら運転することになります。

2号車:座席:トイレ

2号車の車体にはいて座が描かれています。形式はキサハ144-702。

2号車は4人掛けのボックスシートが並ぶほかトイレが設置されています。

車端部には宮沢賢治の紹介や釜石線全駅につけられたエスペラント語の紹介などあり、宮沢賢治一色の展示!

他にも宮沢賢治が書いた物語の本が並びます!

3号車:座席

3号車の車体にはわし座が描かれています。形式はキサハ144-701。

2号車と同様に4人掛けのボックスシートが並びます。

3号車の車端部のフリースペースも宮沢賢治一色です。

4号車:売店・座席・トイレ

4号車の車体にははくちょう座が描かれています。形式はキハ143-701。

4号車は売店や車いす対応のトイレが設置されており、車両の中で一番座席数が少ない車両です。

C58 239号機の復元の様子などの写真が展示されています。

売店ではグッズの他、お酒・ソフトドリンク、おつまみ、アイスクリームの販売がありました。

高崎で活躍するD51 498号機のプレートも展示されていました!


 

SL銀河 乗車記

釜石駅から出発

今回の旅は釜石駅から出発。

駅舎は「銀河鉄道の夜」をイメージしているのが特徴的!

駅舎内はSL銀河一色。天井からは大きな幕が吊り下げられていました。

今回乗車するのは9時57分発のSL銀河 花巻行です。改札は9時25分頃から始まりました。

階段を登りホームに上がるとSL銀河の客車とご対面。客車といってもキハ141系の気動車です。

気動車を客車としたのは、陸中大橋~足ヶ瀬間の難所「仙人峠越え」をするには蒸気機関車だけではパワー不足ということで、それを補うために採用されたとのことです。

車体側面には大きな星座の絵と列車名のデザイン!青い車体に金色で描かれた絵はまさしく銀河!

側面には特製のサボが備え付けられています。

客車の先には今回SL銀河を牽引するC58 239号機が煙をを上げながら出発の時を待っています。

先頭に掲げられた特製のヘッドマークがかっこいいですね!

座席は4人掛けのボックスシート、赤いモケットが特徴の座席です。

窓は北海道仕様で防寒対策の為の2枚式でした。

オススメの座席は窓側のA席もしくはD席

<釜石駅発花巻行の場合の主な景色>

・進行方向左側:陸中大橋~上有住間の180度回転するΩ(オメガ)ループ

・進行方向右側:宮守駅到着前、めがね橋(宮守川橋梁)

車端部の壁には行先表示板のモニターが設置。童話のような独特なフォントが特徴的!

改札開始から出発まで約30分ありましたがあっという間に過ぎ去り、出発の放送がホームに響きます。

9時57分、蒸気機関車の汽笛とともに、列車は定刻通り釜石駅を出発。ここから先、終点の花巻駅まで約5時間の蒸気機関車の旅が始まります。

出発後、「アルプスの牧場」のメロディーとともに各駅の停車時刻などの案内がありました。


 

仙人峠越えの前に一休み

10時29分、陸中大橋駅に到着。ここではこれから迎える仙人峠越えの為に蒸気機関車の整備と対向列車行き違いの為11分の停車。

時間があるのでホームに降りてみました。

かつては鉄鉱石の積み出しで賑わっていた陸中大橋駅。大きな駅舎を持ち、売店などもあったようですが、現在はホームに待合室のみが残る無人駅へ。

駅構内には積み出しで使われていたホッパーの遺構が残されていました。

盛岡駅を8時42分に出発した快速〔はまゆり1号〕との行き違い。仙人峠を下ってきた列車は釜石駅を目指し走り去っていきました。

行き違いを終えると、SL銀河はいよいよ仙人峠越え・Ω(オメガ)ループ区間へと進んでいきます。

釜石線の難所「仙人峠」に挑む

陸中大橋駅到着手前、車窓左側には山々の間にかかる赤い鉄橋が見えると釜石線一の難所、仙人峠へと入っていきます。

この赤い鉄橋がこの先列車が走る場所ということを考えるとかなりの高低差がありそうですね。

(引用:© OpenStreetMap contributors)

地図で見ると線路が180度方向を変えるようにΩ(オメガ)状に敷かれていることがよくわかります。

仙人峠と陸中大橋駅では高低差が約300m…。これを直線で結ぶとかなりの急勾配になり鉄道は走れないということでこのような特殊な形で線路が敷かれました。

この区間の建設はとても大変だったようで、開通まで14年の歳月がかかったそう…。

そしてこの勾配・長トンネルを越えるため、SL銀河の客車はディーゼルカーが採用され花巻行の列車では蒸気機関車の後ろから押し上げる形で峠越えを行います。

トンネルと抜けると左側の車窓には今まで走ってきた線路を下に見ることができます。

10時58分、仙人峠を越え上有住駅に到着。ここでは5分の停車。
エスペラント語で「カヴェルノ(洞窟)」。駅の近くにある「滝観洞(ろうかんどう)」にちなんだ名前。

上有住駅ではホームの長さの都合上、最後尾の4両目はホームから出てしまうためドアカットされます。

ここでは線路とほぼ同じ高さから蒸気機関車を見ることができます。

機関車の大きさを感じられるポイント(動輪がとても大きい!)

ひまわり畑の中を走る

11時22分、足ヶ瀬駅で上下列車行き違いの為運転停車。反対側のホームには釜石行普通列車がやってきました。

この、足ヶ瀬駅を出るとSL銀河の撮影地として有名なひまわり畑の中を走りますと車内放送でアナウンスがありました。

放送の通り、足ヶ瀬駅をでてしばらくすると両側の車窓にはひまわり畑が広がります。少し残念なことに、乗車した日のひまわりは花びらが散っていたり、下を向いたものが多かったです。


 

遠野駅では約1時間半の停車!

11時46分、遠野駅に到着。花巻~釜石間のちょうど中間ぐらいに位置する駅です。

ここでは約1時間半の停車時間が設けられており駅周辺の観光することができます。(私は昼食と駅前の観光案内所の散策のみしました)

遠野駅で蒸気機関車は一度客車から切り離され、整備点検が行われます。

整備点検を終え、蒸気機関車が再び客車と連結されました。

駅舎内には待合スペースや売店の他、みどりの窓口まであります。

急行券・寝台券…と現在では定期列車としては運行していない種別まで書かれていました。

遠野駅で停車している間に13時08分発 釜石行 〔快速 はまゆり3号〕と13時08分発 花巻行〔普通〕列車と行き違い、追い抜きをされます。

3線ある遠野駅の線路がすべて埋まる瞬間!駅は一気に賑やかに。

写真撮影や観光をしているとあっという間に出発時間に。引き続き蒸気機関車の旅が始まります。

宮守駅とめがね橋

宮守駅到着前、釜石線一の撮影スポットであるめがね橋で有名な宮守川橋梁を渡ります。花巻行の列車の場合は進行方向右側に河川敷の広場を見ることができ、釜石行の場合は逆側になります。

河川敷には多くの見物客がSL銀河を見に来ていました。

14時26分、宮守駅に到着。宮守駅では7分間停車します。

宮守駅での7分間の停車中も蒸気機関車では点検作業が行われていました。

静かなホームに蒸気の音と、機関士の整備の音が響きます。

14時53分、土沢駅に到着。ここでは釜石行の普通列車と行き違い。

ここでは停車時間が短いためホームへ降りる場合には停車時間に注意するようなアナウンスもありました。


 

終点に向けてラストスパート

山の間を走ってきた列車ですが、土沢駅を出た頃になるとどんどん平らなところを走るようになります。

今回は最後尾の4号車に乗っていたのでカーブに差し掛かると煙を上げながら走る蒸気機関車の姿が見れました。

15時06分、新花巻駅に到着。

東北新幹線との接続駅ということもあり、この駅で降車するお客さんが多くいた印象でいた。また、新花巻駅~花巻駅の一区間だけ乗車する方も割といた印象でした。

この、新花巻駅ではSL銀河専用の発車メロディ「星めぐりの歌」が流れるのでぜひ聞いてみてください(ドアが閉まるとあまり聞こえなかったです)。

新花巻駅出発後、車両の最後部の窓からの景色。

蒸気機関車から出た蒸気がまだ線路に残っていました。

大雨で茶色く濁る北上川を渡るSL銀河。

終点花巻駅までもう少し。

終点 花巻駅に到着

15時19分、釜石駅を出発して5時間22分かけてSL銀河は終点の花巻駅に到着。

横断幕を持った方たちによるお出迎え。

花巻駅到着したSL銀河は、回送列車として盛岡方面へと出発。

今まで客車だったキハ141が蒸気機関車を牽引する形で回送列車となります。

最後に

今回は釜石線を走る臨時快速「SL銀河」の釜石駅から花巻駅までの乗車記でした。

時刻表上では5時間22分のダイヤが組まれていますが、途中駅での長時間停車もあり飽きることなくあっという間に過ぎ去ってしまう旅でした。

2日で1往復と運行本数が少ない上、2023年春の引退が発表されますます人気となり乗るのが難しいかもしれませんが、ぜひ銀河鉄道の世界を感じさせてくれる「SL銀河」に乗ってみてはいかがでしょうか。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

  • この記事を書いた人

tomotabi

北斗星の旅をきっかけに旅行好きになり鉄道・飛行機旅へ| 鉄道乗車記|飛行機の搭乗記|ホテルの宿泊記|お得なきっぷ|を中心に記事を書いています|

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