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【最後の冬】1日1本の運行 南小谷駅まで乗り入れる「あずさ5号」の旅

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みなさんこんにちは、tomotabitripです。

今回は1日1本のみ運行される新宿発南小谷行きの特急「あずさ5号」の乗車記をお届けします。

この列車は2025年3月のダイヤ改正にて運行区間が新宿〜白馬までに変更されることが決まっており、白馬〜南小谷間を走る最後の冬になります。

南小谷乗り入れの特急「あずさ5号」とは

新宿駅で表示される約300km先の駅

新宿〜南小谷間を走る「あずさ」は1日1往復運行されており、新宿発南小谷行きが「あずさ5号」、南小谷発新宿行きが「あずさ46号」です。

2020年3月のダイヤ改正までは「あずさ3号」が千葉発南小谷行き(341.6km)というロングラン運転をしていました。ダイヤ改正後は千葉〜松本間を「あずさ3号」、新宿〜南小谷間を「あずさ5号」が担当するように区間変更されて運行される様になりました。

そして2025年3月のダイヤ改正で、ついに南小谷乗り入れの「あずさ」が廃止され、3月15日からは新宿〜白馬間の運行に変更されます。

あずさ5号・46号の新宿〜南小谷間のダイヤ

あずさ5号あずさ46号
新宿8:00 発19:06 着
立川8:23 着
8:24 発
18:40 着
18:40 発
八王子8:32 着
8:33 発
18:30 着
18:31 発
甲府9:28 着
9:29 発
17:35 着
17:36 発
小淵沢9:53 着
9:53 発
17:11 着
17:12 発
茅野10:06 着
10:07 発
16:58 着
16:59 発
上諏訪10:12 着
10:12 発
16:52 着
16:53 発
岡谷10:19 着
10:20 発
16:45 着
16:45 発
塩尻10:27 着
10:28 発
16:38 着
16:38 発
松本10:37 着
10:41 発
16:24 着
16:30 発
豊科10:54 着
10:54 発
16:04 着
16:05 発
穂高10:59 着
10:59 発
15:59 着
16:00 発
信濃大町11:16 着
11:17 発
15:42 着
15:43 発
白馬11:42 着
11:43 発
15:16 着
15:16 発
南小谷11:59 着15:00 発

「あずさ5号」では松本駅で新宿方の後ろ3両を切り離す作業が行われるため4分間の停車時間が設けられています。

特急「あずさ5号」乗車記

新宿駅から出発

間も無く定期では見れなくなる南小谷の表示

今回の旅は新宿駅からスタート。この「南小谷」の表示もまもなく見れなくなってしまいます。

松本までは12両で運行

7:44、東京方面から回送列車として新宿駅9番線ホームに入線してきました。平日の「あずさ5号」は「はちおうじ2号」の折り返し列車として運行されるため、新宿駅到着後車内清掃が行われます。

通勤ラッシュの新宿駅を出発

8:00、時刻通り新宿駅を出発。295.2kmを約4時間かけて走る旅の始まりです。

快速電車の合間に走る「あずさ」

前を走る快速電車を追い抜き

新宿駅出発後、平日の朝ということもあり通勤ラッシュ時間帯に走るので比較的ゆっくりとした走り。東京方面に向かう電車と次々にすれ違います。

三鷹駅で先行する電車を追い抜き、ようやく速度が出始めました。

8:26、2分遅れで最初の停車駅 立川に停車。

多摩川橋梁で遠くに見える富士山

立川駅を出発すると多摩川を渡ります。天気が良く、で空気が澄んでいたこともあり、遠くに富士山の姿を見ることができました。

8:37、2分遅れで八王子駅に停車。八王子駅が関東圏最後の停車駅。東京方面には松本から来た「あずさ4号」が停車中でした。

八王子駅を出発すると甲府駅まで約1時間ノンストップで走ります。

高尾駅を颯爽と通過。列車は東京都と神奈川県の間にある小仏峠を貫く全長2,594mの新小仏トンネルへと入ります。

この小仏トンネルはトンネル断面が小さいため、車体の大きい車両やパンタグラフの折り畳み高さが高い車両は通過できません。そこでこのトンネルを通過可能か不可能かを識別するためのマークがあり、通過可能車両にはこのマーグが付けられています。

甲府駅までの87kmをノンストップ

鳥沢駅を過ぎると桂川にかかる新桂川橋梁を渡ります。橋梁からの景色はとても良いのでお見逃しなく!

大月駅を通過。大月駅からは富士山・河口湖観光への路線 富士急行線と接続しており、特急「富士回遊」はこの駅から富士急行線へ入り河口湖を目指します。

笹子峠を貫く全長4,670mの笹子トンネル、新大日影トンネルを通過すると勝沼ぶどう郷駅を通過。いよいよ甲府盆地へやってきました。

勝沼ぶどう郷駅の標高は約490mで甲府駅の標高は約275m。約200mの高低差を中央本線は勾配の緩和のため、ぐるっと回り込むように走ります。

甲府駅に到着

9:30、約1分遅れで甲府駅に停車。八王子駅を出発し約1時間ノンストップで走り続けた「あずさ」もここで一休み。甲府駅では多くの方が下車していき、満席だった車内にも空席が目立つように。新宿〜甲府間の需要の高さを感じました。

東京方面のホームには当駅始発の特急「かいじ14号」が停車中。

かつてスイッチバックが連続した区間

勾配の途中にある韮沢駅を通過

甲府駅を出発すると徐々に列車は勾配を登り始めます。甲府駅〜小淵沢駅間はかつて難所として知られ、韮沢、新府、穴山駅と3駅連続でスイッチバックが続きました。

スイッチバックの跡が残る穴山駅を通過

現在でも穴山駅にはかつてのスイッチバックの跡が残っています。こう見ると本線がどれだけの勾配になっているかわかりますね。

9:54、1分遅れで小淵沢駅に停車。小淵沢からは「あずさ5号」から約14分の乗り継ぎ時間で小海線へ乗り継げるようなダイヤが組まれています。

JR線の最高地点を走る小海線。清里や野辺山といった八ヶ岳の麓の観光地へのアクセスにも使われています。

あわせて読みたい

小淵沢を過ぎると長野県に入ります。

諏訪湖の周りを走り中央西線と合流

10:07、長野県に入り最初の停車駅 茅野駅に停車。これまで晴れていた空も雲が多いどんよりとした空に。

続いて上諏訪駅に停車。上諏訪駅はホーム上に無料の足湯施設があるのが特徴!乗り換えなどで時間がある際には利用してみたいところ。

上諏訪駅〜下諏訪駅間は中央本線が最も諏訪湖に近づく区間。進行方向左側では建物の間から諏訪湖の姿が見えてきます。

10:21、2分遅れで岡谷駅に停車。岡谷駅からは中央本線の支線「辰野支線」が分岐。

現在の中央本線は岡谷駅を過ぎると塩尻峠を全長5,994mの塩嶺トンネルで通り抜けていますが、かつては「辰野支線」が本線。峠を迂回するように天竜川に沿って一度南下、辰野駅を過ぎると横川川に沿って北上し、塩尻駅手前で現在の本線と合流するように走っていました。

名古屋方面からの中央西線と合流

塩嶺トンネルを抜けると塩尻駅に到着。中央本線はこの塩尻駅までで、列車はこの先、松本駅まで篠ノ井線を走ります。

塩尻市はワイン造りが盛んで塩尻駅ホーム上にぶどう棚があるほど。また駅舎内にはワインを楽しめるお店もあるとのことで、乗り換えなどで時間があるときは立ち寄ってみたいですね!

松本駅では後ろ3両が切り離し

南松本駅に隣接した貨物ターミナルが見えると間も無く松本駅です。

10:39、新宿〜立川間での遅延が回復できず2分遅れで松本駅に到着。松本駅ではダイヤ上4分の停車時間があり、この間に新宿方の後ろ3両の切り離し作業が行われます。

基本的に「あずさ号」はこの松本駅を始発・終着としていますが、今回の「あずさ5号」にとっては途中駅。9両編成で終点の南小谷駅を目指します。

切り離し作業を見てみたかったですが、4号車まで行く時間がなかったのと遅延でいつ出発するかわからないので今回は諦めました。切り離し作業をみたい場合は4号車に乗るのがおすすめです。

「あずさ号」が1日1往復しか走らない区間へ

松本駅を出発。いよいよ「あずさ号」が1日1往復しか走らない区間の旅が始まります。まずはゆっくりポイントをわたり大糸線へ転線し、大糸線にしかない駅 きた松本駅を通過。

長野方面に向かう篠ノ井線が分岐

しばらく走ると右手に長野方面に向けて篠ノ井線が分かれて行きます。

梓川

「あずさ」の名前の由来になった梓川を渡ります。

対向列車の前面には雪が残る

10:59、穂高駅に停車。穂高駅では松本行きの普通電車と行き違いがありました。大糸線は単線のため途中駅でこのような行き違いがあります。

普通列車の幌の部分には着雪が。まだこの時点では周辺に雪がないので、さらに北ではどんなになっているのでしょう、楽しみです。

沿線の田畑にも特に雪が積もっていようすはみられず。

立山・黒部観光の玄関口 信濃大町駅に停車

11:16、立山・黒部観光の玄関口 信濃大町駅に停車。ここで多くの方が下車していき車内はほとんどが空席に。

そしてここまで来るとついに雪が降るようになってきました。隣のホーム奥に停車中の電車はおそらく南小谷方面からやってきた電車でしょう。電車の屋根にもしっかりと雪が積もっていました。

大雪の中を進む「あずさ」

信濃大町を過ぎると降る雪の量は徐々に増え、沿線には雪が積もるように。途中の駅のホーム上にもしっかり雪が積もっていました。

木崎湖を過ぎどんどん山奥に進みます。ここで簗場駅を通過しますが、ホーム上は上の写真の通り。普通電車の停車位置周辺は除雪されていますが、それ以外のホーム上には駅名標が隠れるほどの積雪がありました。

青木湖を過ぎたあたりには姫川水系と信濃川水系の分水嶺となる佐野坂峠があり、ここを過ぎるといよいよ日本海側へ。

ダイヤ改正後は白馬が終点

11:42、最後の途中停車駅 白馬駅に到着。スキー・スノーボードを持った方がたくさんホーム上におり、発車ベルが鳴っても降りれていない方もいるほどでした。

2025年3月のダイヤ改正でこの「あずさ5号」も当駅止まりとなってしまいます。折り返しやその他の列車の都合で上り線側の3番線に入線するのでしょうか。

さて、新宿から乗っていた乗客のほとんどが白馬駅で下車。車内には私を含め3人だけになってしまいました。

使用ホームは片側のみ

白馬駅の隣、信濃森上駅に運転停車。駅の跨線橋にはネットと張り紙があり、「当面の間、上下列車ともに上り線ホームを使用します」とのこと。除雪の都合もあるのでしょうね。

「あずさ」は静かに信濃森上駅を出発、終点までラストスパート。

雪深い中を走る大糸線

雪深い山間を姫川に沿ってゆっくりと進んでいきます。

終点 南小谷に到着

11:59、新宿駅を出発して3時間59分。列車は終点の南小谷駅1番線に到着。全面や屋根には雪が積もり、4時間前は通勤ラッシュの新宿駅を出発してきたとは思えない姿に。

南小谷駅では糸魚川方面に進む大糸線と信濃大町方面に戻る大糸線にそれぞれ接続するダイヤが組まれています。

信濃大町行き、糸魚川行きの普通列車が出発してしまった静かなホームにE353系が佇みます。

南小谷の駅名標と一緒に写るのもあとわずか。

「あずさ5号」は車内清掃などが行われたのち、15:00発「あずさ46号」新宿行きとして再びきた道を戻ることになります。

最後に

今回は1日に1本だけ松本を通過、大糸線に直通し南小谷駅まで走る特急「あずさ5号」の乗車記をお届けしました。

2025年3月15日以降は新宿〜白馬間の運行となり、特急「あずさ」の南小谷乗り入れ43年の歴史に幕を下ろすとのことになります。

ダイヤ改正後は白馬駅までの運行になりますが、大糸線直通「あずさ」を含め、日本縦断の旅に大糸線を利用してみてはいかがでしょうか!

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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土日・祝日を含めた連続した2日間、フリーエリア内のJR線と一部の第三セクターが乗り放題となるきっぷです。今回の旅の終点 南小谷駅もフリーエリア内に含まれています。別途特急券を購入すれば新幹線・特急列車にも乗ることができます。

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tomotabi

北斗星の旅をきっかけに旅行好きになり鉄道・飛行機旅へ| 鉄道乗車記|飛行機の搭乗記|ホテルの宿泊記|お得なきっぷ|を中心に記事を書いています|

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