みなさんこんにちは、tomotabitripです。
今回は2日間だけ水郡線の水戸~常陸大子駅間で運行された臨時列車「快速 DLすいぐん号」の紹介と乗車記をお届けします。
旅の参考になれば嬉しいです。
快速 DLすいぐん号とは
今回運行された「快速 DLすいぐん号」とは「茨城プレデスティネーションキャンペーン」にあわせて企画された臨時列車です。
この列車の特徴は以下の通り。
・ディーゼル機関車(DL)2両による重連運転
・12系客車5両での運行
DL重連運転は今ではほぼ見られないものということで貴重な列車です。
普段はぐんま車両センター(旧 高崎車両センター)にいる12系客車も今回の列車のために出張してきました。
運転区間・停車駅・時刻表
停車駅 | 常陸大子行 | 水戸行 |
---|---|---|
水戸 | 10:10発 | 16:59着 |
上菅谷 | 10:23着 10:25発 | 16:39発 16:32着 |
常陸大子 | 11:52着 | 15:23発 |
快速 DLすいぐん号の停車駅と時刻表は上の表のとおり。
1日1往復だけ水戸~常陸大子駅間 55.6 kmで運行され、その間の途中停車駅は上菅谷駅のみという驚くべきものでした。
しかし、各駅停車の定期列車では同区間を約1時間20分程度で結んでいることをみると、通過駅が多いから早いというわけではないこともわかります。
料金
指定席料金: 530円
乗車券
・水戸~上菅谷:240円
・水戸~常陸大子:1,170円
快速 DLすいぐん号乗車記(水戸~常陸大子)
出発は水戸駅から
今回の旅は水戸駅から出発。
茨城県の中心駅で、常磐線、水郡線、鹿島臨海鉄道が乗り入れています。
乗車する列車は10時10分発 常陸大子駅行。駅案内板には「臨時」、「5両」という普段の水郡線では見慣れない表示でした。
9時48分 水戸駅止まりの水郡線普通列車が2番線に到着。
降車確認後、9時52分に回送列車として出発。これで2番線が空いたのでいつでもすいぐん号が入線できる状態に。
9時58分 DE10 1654号機を先頭に上野方面より今回乗車する「快速 DL すいぐん号」が入線してきました。
ディーゼル機関車重連による客車列車というだけでわくわくしてしまいますね。
3番線には10時05分発普通いわき行が停車しているため、水戸駅での編成全体像を撮るのはなかなか難しいです。
土浦以北の常磐線で活躍するE501系との並びは良い感じでした。
2番線にやってきました。
DE10 2両と12系の様子。昔は色々な所で見られた光景だったかもしれませんが、今では臨時列車などでしか見られない光景に。
重連の機関車の景色を見れるだけでも満足です。
普段は2~4両の車両が来る水郡線ホームに計7両の車両が停まっているなんて・・・と思います。
ホーム上では特製の横断幕を持った職員の方によるお見送りもありました。
12系客車の車内
今回の12系は全部で5両編成。
全ての車両が4人掛けのボックスシートになっています。
窓は2段式で下段はほぼ開けられませんが、上段は全開に開けることができました。
背もたれはリクライニングできないのでほぼ直角ですが、座面は柔らかく座り心地は良好です。
最近の車両ではほぼ見られない引き戸タイプ。
下の段がホームと同じ高さなので車内とホームに高さの差があることがわかりますね。
長い汽笛とともに出発
10時10分 出発のアナウンスの後、長い汽笛を鳴らし時刻通り水戸駅を出発。客車列車ならではの出発の衝撃を感じながら列車の旅が始まります。
出発すると早速「ハイケンスのセレナーデ」の音楽とともにこれから先の途中停車駅と到着時刻の案内等の車内放送が始まりました。
水戸駅を出ると水郡線はすぐに左にカーブし常磐線とお別れ。水戸城のお堀の跡を走り抜け那珂川を渡ります。
この那珂川を渡ると早速最初の通過駅となる常陸青柳駅を通過。
水郡線で通過駅を見るなんて違和感がありますね。
あっという間に常陸青柳・常陸津田・後台・下菅谷・中菅谷の5駅を通過。
10時23分、この列車で乗降できる唯一の途中停車駅 上菅谷駅に到着。
ここでは対向列車との行き違いの為2分間の停車時間がありました。
実際は対向列車若干の遅れの影響で3分の停車時間で出発。次の停車駅は終点の常陸大子駅です。
田園風景の中を走る
上菅谷駅を過ぎるとだんだんと駅間が長くなり、住宅が減り畑や田んぼが広がる田園風景の中を進んでいきます。
だんだんと住宅が増え、市街地が広がってきたなと感じてきたころ常陸大宮駅を通過。
この駅では水郡線の一部列車の始発・終着に設定されている比較的大きな中間駅ですが、DLすいぐん号では通過です。
玉川村駅を通過。
非電化・相対式ホームを通過する光景はまるでタイムスリップしたかのように感じられます。
常陸大宮駅を過ぎると沿線ではますます住宅は減り、田畑から林に風景が変わりいよいよローカル線旅の様相へ。
久慈川に沿って走る区間へ
山方宿駅を過ぎると進行方向右側より久慈川が見えてきます。
中舟生(なかふにゅう)駅を過ぎると徐々に山が迫ってきて水郡線はいよいよ山間部に入っていくような風景に。
11時15分、対向列車待ち合わせの為上小川駅に19分の長時間の運転停車。
運転停車ということで、ホーム上には降りられませんでした。
水郡線は左右に蛇行する久慈川を何度か鉄橋で渡っていきますが、どこも景色が良くて見どころです。
写真は袋田駅手前にかかる第五久慈川橋梁からの景色。
日本三大名瀑「袋田の滝」の最寄り駅である袋田駅を通過。
以前は行き違いできるよう2面2線駅でしたが、設備廃止に伴い現在では1面1線の駅へ。
現在でも旧ホームは残されており、袋田の滝のミニチュアがあります。
袋田駅を通過すると2019年10月の台風で流されてしまい、2021年3月に復旧した第六久慈川橋梁を渡ります。
架け直されて約1年半しかたっていないので塗装もまだ真新しさを感じます。
袋田駅を通過すると約10分で終点の常陸大子駅へ。この列車の旅も終わりが近づきます。
終点 常陸大子駅到着
11時52分、水戸駅を出発して1時間42分で終点の常陸大子駅1番線に到着。
途中、対向列車の遅れで若干遅れての出発がありましたが終点には定刻通り。
常陸大子駅では反対側の2番線ホームからかなりギリギリではありますが、DE10 2両+12系客車5両の計7両の編成全体をとることができました。
最後に
今回は水郡線に2日間だけ運行された臨時快速「DLすいぐん号」の水戸~常陸大子駅間全線の乗車記でした。
様々な客車列車は臨時で運行がありますが、牽引機関車の重連運転というは最近では見られず今回はなかなかアツい列車でした。
また、「快速」列車ということで指定席料金が530円というのもうれしいところ!
DE10が今後どうなるかわかりませんが、水郡線に限らず様々な路線で客車列車の運行が見たいものです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
【水郡線全線(水戸→郡山)の乗車記はこちら】