みなさんこんにちは、tomotabitripです。
今回は2024年「夏」の臨時列車で発表された臨時列車 特急「アルプス」の乗車記をお届けします。
2018年に運行を終了した「ムーンライト信州」のような運行をするということで話題の列車です。
特急「アルプス」とは
特急「アルプス」はJR東日本が運行する臨時列車で2024年「夏」の臨時列車にて発表された列車です。日付が変わる間際に新宿駅を出発し中央線・大糸線を経由し白馬駅までを結ぶ夜行特急列車で主に登山客向けの列車として設定されました。
「アルプス」の名称は古く、1951年に準急列車として登場したのちに急行列車へ格上げ。その後2002年に「ムーンライト信州」が運行開始するまでこの名称が使われていました。
そのため今回の臨時特急「アルプス」は22年ぶりに「アルプス」の名称が復活、6年ぶりに「ムーンライト信州」のような中央線の夜行特急列車の復活となりました。
特急「アルプス」停車駅・時刻
今回の特急「アルプス」の停車駅は以下の通りです。
停車駅 | 時刻 |
---|---|
新宿 | 23:58発 |
立川 | 0:33着 0:33発 |
八王子 | 0:43着 0:44発 |
松本 | 5:03着 5:10発 |
信濃大町 | 5:52着 5:53発 |
白馬 | 6:22着 |
夜行列車ということもあり新宿、立川、八王子と中央線の主要な駅に停車した後、最初に下車できるのが松本駅というのも衝撃的。
八王子駅〜松本駅間は全く停まらないと言うわけでなく、甲府駅、富士見駅、上諏訪駅で時刻調整と乗務員交代のため運転停車がありました。前後に列車が走っていない夜行列車ならではの走り方です。
同区間を走る特急「あずさ5号」は新宿駅〜白馬駅間を3時間42分で結びますが、特急「アルプス」の所要時間は6時間24分とおよそ倍の時間がかかります。
特急「アルプス」の運転日・使用車両
運転日:7月12日,8月9日,9月13日・20日,10月11日,11月1日
使用車両:E257系2000番台 9両(全車指定席)
使用車両は特急「踊り子」で使用されているE257系2000番台が使用されます。
元特急「あずさ」で使われていた車両なので中央線・大糸線への入線は特に問題にはなりません。また使用車両が臨時「あずさ」で使われているE257系5000番台が使われないのもポイントです。
「夏」だけでなく「秋」の臨時列車でも発表されたので人気の高さが伺えます!
臨時夜行特急「アルプス」乗車記
日付変更間近の新宿駅から出発
中央線特急列車の出発駅の新宿駅にやってきました。新宿駅を出発する中央線特急列車は基本的に中央線特急ホーム9,10番線から出発しますが、今回乗車する特急「アルプス」は四谷・東京方面の7番線から出発と異例になります。
23時40分、東京方面より回送列車として入線。到着後は車内点検が行われた後、すぐにドアが開き乗車できるようになりました。
特急「アルプス」用の乗車位置目標はなく「新宿さざなみ」用の乗車位置目標の「逆」を利用していました。
今回の列車の表示は「特急」表示でした。せっかくならば「アルプス」の表示が見てみたかったと言うのは贅沢な悩みでしょうか。
前述の通り、同区間を走る特急「あずさ5号」は新宿駅〜白馬駅間を3時間42分で結びますが、特急「アルプス」の所要時間は6時間24分とおよそ倍の時間がかかります。
途中の運転停車による影響になるので、どこで停車するのか楽しみですね!
眠らない街、新宿を出発
23時58分、列車は時刻通り新宿駅を出発。出発後は上り線から下り線へポイントをゆっくり転線。
出発後は車掌より停車駅と到着時刻の案内がありました。
新宿駅を出発した「アルプス」は中央線内を飛ばして走るか・・・といわけでもなく、前を走る電車に迫らないよう60km/hぐらいのゆっくりとした速度で走ります。
むしろ快速電車より途中停車駅がない分こちらの方がゆっくりと走っているような感じで、吉祥寺駅を通過するときには20km/hぐらいの今にも止まりそうな速さでした。
中央線内の途中停車駅
中央線内をゆっくり走り抜け1分遅れの0時34分、最初の停車駅立川駅に到着。
この日は南武線が遅れていた影響で接続待ちのため5分ほど停車とアナウンスがありホームに降りてみました。
立川駅隣のホームには高尾行きの最終列車と並びます。時刻通りの運行ならば特急「アルプス」が先に出発するので並ばない並びです。
南武線との接続が終わり、7分遅れの0時41分立川駅を出発。
八王子駅到着前には次の八王子駅で乗り過ごすと松本駅まで下車することができない注意の車内放送もありました。
9分遅れの0時52分、関東圏で最後の停車駅八王子駅に停車。
真夜中の中央線を西へ
八王子駅を出ると車内消灯のアナウンスの後、車内灯が消され夜行列車の雰囲気に。夜行列車と言われても保安上の都合などで消灯されない列車もある中嬉しいサービスです!
真夜中の高尾駅を通過。
八王子駅を出発し特急「あずさ」、「かいじ」が停車する大月、塩山、山梨市駅なども通過。
運転停車は3回!
2時17分、八王子駅出発してからノンストップで走り続けた特急「アルプス」も乗務員交代のため甲府駅に運転停車。
気がついたら甲府駅手前だったので、勝沼ぶどう郷駅周辺で進行方向左側に広がる深夜の甲府盆地は見逃してしまったのは残念。
甲府駅には13分ほど停車し2時30分に甲府駅出発。
甲府駅を出発すると竜王、韮崎、小淵沢駅と特急停車駅を次々に通過し3時20分ごろ富士見駅に運転停車。富士見駅では約1時間ほど停車し4時11分に出発。
4時25分、上諏訪駅停車。この上諏訪駅が最後の夜間運転停車の駅になります。
上諏訪駅に停車中、送り込み回送と思われる上りのE353系とすれ違いました。
上諏訪駅を4時37分に出発し、まだ暗い中央線を走り出します。次はいよいよ松本駅に停車。
「あずさ」停車駅を次々通過!
中央本線と飯田線の分岐駅である岡谷駅を通過。この岡谷駅もほとんどの特急「あずさ」が停まる主要駅ですが今回は通過。
右に大きくカーブすると東京方面の中央東線と名古屋方面の中央西線、松本方面の篠ノ井線の3路線の分岐駅の塩尻駅を通過。
4時52分頃、「おはようございます」の「おはよう放送」とともに車内灯の点灯についてアナウンスがあり、約4時間ぶりに車内灯がつきました。引き続き松本駅到着案内と松本駅から各方面への乗り換え案内もありました。
5時近くなると徐々に太陽が登り始め空が明るくなり始めていました。夏の夜行列車で旅する場合空が明るくなるのが早いので楽しいですね!
松本駅に隣接した松本車両センターを見ながら、5時03分松本駅に到着。立川駅で発生した遅延も途中の運転停車にて調整され松本駅到着時には定刻でした。
松本駅到着
八王子駅を出発してから4時間20分、松本駅に到着。
松本駅では特急「あずさ4号」新宿行きとなるE353系と並びます。
松本駅のLED行き先表示板にはちゃんと東海道線カラーのE257系が表示されていました。
特急「アルプス」の運行にあわせてアルピコ交通では松本駅から新島々駅までノンストップの臨時快速列車が運行されました。新島々駅は上高地への玄関口ということで、登山客の利用を見込んでの運行ですね!
朝焼けの中、大糸線を走行
定刻通り5時10分に松本駅を出発。出発後はゆっくりとポイントを渡り篠ノ井線から大糸線の線路へ。
大糸線を走りしばらくすると「あずさ」の名前の由来となった梓川を渡ります。
進行方向左側にはそびえ立つ北アルプスの山々が迫ってきました。まだ早朝ということもあるせいか山頂付近には雲がかかっていて姿ははっきりとは見えず。
すでに始発電車も動き出している時間になってきたので、信濃松川駅では対向の普通列車「松本行き」と行き違いが行われました。こちらは特急列車ではありますが「臨時列車」のため待避していたのかと思われます。
進行方向右側には遠くの山の背後から登る太陽と照らし出される稲穂の様子が見えていました。
立山・黒部の玄関口、信濃大町駅に到着
5時52分、立山・黒部アルペンルートの玄関口である信濃大町駅に到着。この駅でも大きな登山リュックなどを持った方がたくさん降りて行きました。
信濃大町駅を出発すると次は終点白馬駅です。
信濃大町駅〜白馬駅間は険しい山間を走り抜けていき、途中には木崎湖、中綱湖、青木湖と山間に囲まれた湖と魅力的な景色が続きます。
終点、白馬駅到着
6時22分、新宿駅を出発して6時間24分で終点の白馬駅3番線に到着。
白馬駅では特急「アルプス」の運行にあわせて駅前のお土産屋さんが早朝から臨時営業していたり、扇沢方面、長野駅の方面への路線バスが増車して運行されるなどして登山客、観光客の対応がありました。
もちろん、糸魚川方面へ大糸線をさらに北上する人もいれば、松本方面へ南下する人もいるなど特急「アルプス」の乗客はそれぞれ思い思いの方面へ向かっていきました。
最後に
今回は新宿〜白馬間に6年ぶりに復活した中央線・大糸線を走る臨時夜行列車、特急「アルプス」の乗車記をお届けしました。使用車両が特急「踊り子」で使用されるE257系2000番台、中央快速線東京方面の新宿駅7番線からの出発、車内灯の消灯など異例づくしでの運行でした。
登山客の利用を目的とした列車ということもあり、松本駅、信濃大町駅、白馬駅から臨時列車、バスの運行がされるなど各山岳方面へアクセスが良くなっているのもポイントです。
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