みなさんこんにちは、tomotabitripです。
滝川から富良野・釧路を経由して道東根室までを結ぶ根室本線。支線を含まなければJR北海道の本線の中で一番距離が長く、その距離はなんと423.1 km。
この根室本線全線を乗り通しますが、今回はその第1弾として根室~釧路までの花咲線区間の乗車記をお届けします。
根室本線とは
函館本線の滝川駅から富良野・帯広・釧路を経由して道東の根室駅までを結ぶ443.8㎞路線です。支線を含めなければJR北海道の鉄道路線中で最長になります。
昔は函館駅から札幌経由根室駅まで660.8kmを結ぶ長距離特急が運行されていた時期もありましたが、現在の根室本線では大きく以下の区間に分けられて運行されています。
運行系統(2023年時点)
- 滝川駅~東鹿越駅
- 東鹿越駅~新得駅(不通・バス代行)
- 新得駅~釧路駅
- 釧路駅~根室駅
今回はその中でも根室本線の末端区間である根室駅~釧路駅間の花咲線の愛称がつけられた135.4㎞の乗車記をお届けします。
見どころをゆっくり走る列車
花咲線では一部の列車で沿線の絶景区間を走る時速度を落として走る列車があります。
定期列車なのに観光列車のように走ります!
JR北海道が公式に挙げている見どころは3か所。減速運転もこの3か所で行われます。
この後の乗車記でも上記の3か所の見どころの風景をお届けしますので、参考にしていただければ嬉しいです。
根室本線(花咲線) 乗車記
日本の最東端の駅から出発
今回の根室本線全線乗車の旅の始まりは、JR線の有人駅の中で最東端駅である根室駅から出発です。
駅入り口横には「朝日に一番近い街」と書かれた壁が特徴的!
根室駅から徒歩約3分程度のところに「根室本線終点」の看板と車止めがあります。
看板には根室駅から滝川、札幌、東京駅までのそれぞれの距離が書かれていて、東の端から線路はずっと続いていることを感じさせてくれます!
根室駅ホームの端には「日本最東端有人の駅」の看板があります。日本地図で見ると本当に東の端にいることがわかりますね。
今回乗車した根室発釧路行き普通列車はキハ54形500番台 1両での運行です。
根室駅発の列車の本数はとても少ないので乗り過ごしに注意です!
根室駅発時刻(2023年)
- 5:31
- 8:27
- 11:03(快速 はなさき)
- 13:34
- 16:10
- 19:04
1本列車を逃すと次に来るのは2~3時間後、19:04の最終を逃すと翌日まで列車は来ません!
最東端の駅と平原の中を走る
8:24、列車は定刻通り根室駅を出発。釧路へ向けた約2時間30分の旅の始まりです。
根室駅を出発して2分、隣の東根室駅に到着。駅は1面1線の無人駅です。
この東根室駅が日本最東端の駅として登録されている駅になっていて、ホーム上には「日本最東端の駅」碑が立っています。
東根室駅を出ると車窓には放牧されている馬たちがいました。平原の中を走る北海道以外ではなかなか見られない景色が続きます!
落石駅手前では遠くに風力発電が見えたり、海と切り立った崖の景色が見られます。
落石駅を出ると花咲線で一番太平洋に近い区間を走ります。
この落石海岸は花咲線でも景色が良い見どころの区間。定期列車にもかかわらず徐行運転だったので景色を楽しむことができました!
根室駅を出発して34分、別当賀駅に到着。
1面1線の無人駅で、待合室は北海道でよく見かける車掌車を改造したものが使われています。
標津線との分岐駅だった厚床駅
根室駅を出発して50分、厚床駅に到着。この厚床駅は1989年4月30日まで根室本線と標津線との分岐駅として2面3線を有する重要な駅でした。
標津線は廃止され現在では1面1線の無人駅となってしまいました。
厚床駅がかつて拠点となっていた様子はまだあり、ホーム跡や構内踏切跡の様子を見ることができました。
厚床駅を出発すると2面3線だった時の分岐器の後も残っています。
右側の線路は茶色く錆ついていて、分岐器を過ぎた先で草で覆われて途中から見えなくなってきていましたが・・・。
根室駅を出発して57分、姉別駅に到着。
姉別駅は無人の駅で待合室しかありませんが、その待合室にはルパン三世のキャラクターが描かれていました。
姉別駅の隣、浜中駅に到着。こちらにもルパン三世のキャラクターがお出迎え。
茶内駅で上下列車の交換
根室駅を出発して1時間14分、茶内駅に到着。
茶内駅では釧路発根室行きの普通列車と行き違いがありました。
根室行きの列車が先に茶内駅に到着しており、釧路行きの列車が出発すると同時に根室行きの列車も出発していきました。
花咲線の通常ダイヤではこの茶内駅で上下列車が交換するように設定されているようです。(快速はなさきに乗車した際も当駅で上下列車の行き違いが行われました。)
絶景!別寒辺牛湿原と厚岸湾
糸井沢駅~厚岸駅間では別寒辺牛(べかんべうし)湿原があり、列車はその中を走ります。
この区間も落石海岸同様、花咲線での絶景区間となっており列車は速度を落として走行。湿原の景色をゆっくり楽しむことができました。
湿原には水鳥たちの姿を見ることができ、北海道の自然を感じられるポイントです。窓を開けて景色を見られるのもキハ54形の旅ならでは!
湿原を過ぎると厚岸湖のそばを走ります。
10:00ちょうど。根室駅を出発して1時間36分で厚岸駅に到着。
厚岸駅は花咲線の中で拠点になる中間駅で有人駅。釧路駅〜厚岸駅を走る区間列車が発着します。
ここから先は若干本数も増え、8本/日になります。
厚岸駅をでると海岸沿いには昆布を干している光景を見ることができました。
厚岸駅~門静駅間も絶景区間として、厚岸湾の景色を眺められるように速度を落としての運行でした。
門静駅を通過すると花咲線は徐々に海から遠ざかり内陸へと進路を変えていきます。沿線には北海道らしい広い草原が広がります。
沿岸部から山越え区間へ
根室駅を出発して1時間54分、尾幌駅に到着。
尾幌駅も無人の駅で、待合室はかつて車掌車として使われていたのを改造したのが使われています。外壁は動物などの絵が描かれていますが、ところどころ錆等が見られ維持の大変さを感じます。
根室駅を出発して2時間2分、上尾幌駅に到着。
上尾幌駅~別保駅間の約15キロは峠越え区間となり山の中を走ります。
勾配やカーブが続く山の中を列車は40㎞/h程度の速度でゆっくり走ります。足元からはエンジンの唸る音が!
またカーブなどで先が見えない区間では、野生動物との衝突を避けるため頻繁に警笛を鳴らして走ります。
根室駅を出発して2時間22分、武佐駅に到着。
上尾幌駅を出発してから続いていた山越え区間が終わり、釧路市街地へと入ります。
無人駅の為ホームから舗装された道路へ直結する階段が特徴的!
東釧路駅直前で左側より釧網本線と合流。
根室駅を出発して2時間25分、釧網本線との分岐駅となる東釧路駅に到着。
釧路市街を流れる釧路川を渡ると終点の釧路駅はもう間もなく。
終点 釧路駅に到着
10:53、根室駅を出発して2時間29分をかけて終点の釧路駅に到着。
乗ってきた列車は乗客の降車を確認したのち、回送列車になり釧路運輸車両所へ回送されていきました。
最後に
今回は根室本線の末端区間、根室駅→釧路駅間の「地球探索鉄道 花咲線」区間の乗車記をお届けしました。
北海道らしい大草原の景色や厚岸湾、別寒辺牛湿原の絶景等、北海道の自然を感じることができる路線です。運が良ければエゾシカなどの野生動物を見ることができるかもしれません!
花咲線は運行本数が少ないので時刻を確認は必須です。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
根室本線の各区間の乗車記のリンクはこちら