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【乗車記】さよなら特急「大雪」ラストラン!冬のオホーツクを駆け抜ける鉄道旅(網走→旭川)

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みなさんこんにちは、tomotabitripです。

今回は2025年3月のダイヤ改正で引退した特急「大雪」
道東と道央を結び続けてきた列車の引退直前の乗車記をお届けします。

特急「大雪」とは?

特急「大雪(たいせつ)」は、北海道の道東・網走と道央・旭川を結んでいた特急列車で、石北本線を経由しながら約253kmの道のりを約3時間40分かけて運行していました。

1992年のダイヤ改正で一度名称が消えた「大雪」でしたが、2017年3月のダイヤ改正で、札幌〜網走間を走る特急「オホーツク」のうち2本が旭川〜網走間に区間短縮された際、約25年ぶりに列車名が復活となりました。

使用車両は長らくキハ183系が活躍してきましたが、2023年春からはすべての列車がキハ283系に置き換えられ、編成は4両から3両へ短縮、グリーン車の廃止なども行われました。

そして2025年3月のダイヤ改正で惜しまれつつ運行を終了。以降は『特別快速「大雪」』として一般車両で運行される長距離列車として運行を開始しました。

特急「大雪」の時刻表(2025年3月)

下り上り
1号3号2号4号
旭川12:41 発17:07 発11:43 着16:16 着
上川13:27 発17:47 発11:04 発15:38 発
白滝15:00 発
丸瀬布14:22 発18:40 発10:10 発
遠軽14:45 着
14:49 発
18:57 着
19:00 発
9:52 発
9:48 着
14:24 発
14:20 着
生田原15:05 発19:16 発9:34 発14:05 発
留辺蘂15:26 発19:36 発9:14 発13:45 発
北見15:44 着
15:45 発
19:54 着
19:55 発
8:55 発
8:54 着
13:27 発
13:26 着
美幌16:08 発20:17 発8:31 発13:03 発
女満別16:19 発20:29 発8:20 発12:52 発
網走16:34 着20:44 着8:05 発12:37 発

網走発 特急「大雪」乗車記

北東の街 網走駅から出発

今回の旅の始まりは北海道北東の街 網走から出発です。

珍しい縦書きの駅名看板は網走刑務所を刑期終えて旅立つ受刑者に対し、駅員が「横道にそれず、まっすぐに生きてほしい」という願いを込めて、縦書きにしたという話があるとか。

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網走駅発の特急「大雪」は1日2本(2号、4号)があります。今回は「大雪2号」に乗車し終点の旭川駅を目指します。
出発の10分前に改札が始まりました。

出発を待つ特急「大雪」

ホームにはすでにキハ283系がディーゼルエンジンを唸らせながら待機中。かつてはグリーン車を連結し7両編成で運転されていましたが、「オホーツク」、「大雪」への転属にあたり普通車のみの3両編成に短縮されての運行に変更されました。
出発までの間はしばし撮影タイムです。

列車は3両編成で2両が普通車指定席、1両が普通車自由席です。座席は2-2席の横4列の配置で全てグレードアップ座席でした。
さて、いろいろ見てる間に出発時刻に。発車の合図とともにドアが閉まり、冬の鉄道旅が始まります。

網走駅を出発

8時05分 時刻通りに網走駅を出発。
網走駅に隣接した車庫にはJR北海道のキハ40形を置き換えたH100形気動車の特別ラッピング車が留置中でした。

網走駅を出発すると左側には「オホーツク流氷館」や「博物館網走監獄」のある天都山を見ながら走ります。

最初の停車駅 女満別駅に到着。1階〜3階まで女満別図書館があり、その中に駅待合室が入居している独特な駅です。

女満別駅を出発すると女満別空港に一番近いけれど普通列車しか留まらない駅「西女満別駅」を通過。いつかこの駅から女満別空港まで歩いて行くということをやってみたいです。

美幌駅からは進路を東へ

8時31分 美幌駅に停車。

網走駅を出発して南に走ってきた石北本線は美幌駅から進路を東へ向け進みます。

美幌駅を出発してしばらくは、山間を縫うように左右にカーブしながら走ってきましたが、緋牛内駅を過ぎると車窓には一面雪で真っ白な北海道らしい景色が広がります。

東部の街 北見

沿線に住宅地が増えてくると間も無く北見駅に到着です。

8時54分 北見駅に到着。2面3線を有する拠点駅。現在は廃止された「北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線」との分岐駅でした。

北見駅は石北本線の拠点駅の一つで、当駅を始発・終着する列車の設定があります。この時は特別快速「きたみ」も当駅を始発・終着として運行されていました。

旅客輸送の他、季節によってはタマネギなどの農産物輸送のために北見駅〜北旭川・札幌貨物ターミナル駅間に貨物列車が運行されるなど貨物輸送でも重要な駅です。

石北本線の難所の一つ「常紋峠越え」

北見地域での最後の停車駅 留辺蘂駅を出発すると石北本線は徐々に勾配を登り始めます。いよいよ石北本線の難所の一つ「常紋峠」を越えていきます。

金華信号場(旧:金華駅跡)を通過。乗っている時には気づきませんでしたが、動画を見直してみると駅には「常紋トンネル工事殉職者追悼碑」までの案内の看板が掲げられていました。

左手に「旧:常紋信号場跡」を見ながら通過。
常紋信号場は25パーミルの急勾配や急カーブが続く常紋峠で発進できない列車のためスイッチバック方式で作られました。現在でもその設備の一部が残っており、巨大なスノーシェルターや信号設備跡を見ることができます。

常紋信号場跡を過ぎると全長507mの「常紋トンネル」へ入ります。過酷な労働環境のもと建設された「常紋トンネル」では、完成するまでに多くの犠牲者が出たことでも知られています。

常紋峠を過ぎて生田原駅に停車。かつては常紋峠越えの遠軽側の基地としての役割もあった駅ですが現在では石北本線の一停車駅へ。

遠軽駅で進行方向が逆に

進行方向左側より1本の線路が見えると遠軽駅に到着です。進行方向が変わるため乗客自らが座席の転換を行うよう車内アナウンスが流れてきました。

9時48分 遠軽駅に到着。遠軽駅では約4分の停車時間があり、この間に乗務員の交代があり列車の進行方向が変わります。

1989年まではこの先、紋別・湧別を経由して宗谷本線の名寄駅までを結ぶ「名寄本線」があり、石北本線は遠軽駅で折り返す運用で運行されていました。しかし、1989年に名寄本線が廃止となった結果、石北本線の進行方向が変わるスイッチバックという特徴的な運行だけが残ることとなりました。

ホーム上には国鉄時代から使われているというのりば案内板があり、よく見ると0・1番線には「門別・名寄方面」の文字が。今後も点灯することがない表示ですが、かつてこの先も鉄道があった証を見ることができる貴重な場所です。

「瞰望岩(がんぼういわ)」を右手に見ながら遠軽駅を出発。「瞰望岩」には一度登って遠軽の街を見渡してみたいところ。

丸瀬布駅では特急同士の行き違い

湧別川ダム

遠軽駅を出発すると列車は再び山間部を湧別川に沿って走ります。

10時09分 丸瀬布駅に停車。ダイヤに乱れがなければ丸瀬布駅で本列車で唯一の特急列車同士の行き違いが行われます。反対側には札幌駅からやってきた特急「オホーツク1号」が停車。

この時は「オホーツク」と「大雪」をわずかな乗り換え時間で乗り換える人もいたとか・・・。

この丸瀬布駅を出発すると次の停車駅は57km離れた上川駅。約1時間ノンストップで走り続けます。

在来線で最長の駅間にはかつて5駅があった

白滝駅を通過。

白滝駅〜上川駅間にはかつて「上白滝駅・奥白滝駅・上越駅・中越駅・天幕駅」の5駅がありましたが2016年まで順次廃止または信号場に格下げされ、現在では途中駅がなくなり「在来線の中で駅間が最も長いことで有名な区間。普通列車でも37.3kmを途中停車することなく走り続けます。

徐々に高度を上げていく石北本線。

奥白滝信号場(旧:奥白滝駅跡)を通過。1932年に設置され2001年に廃駅、信号場へ格下げとなりました。地図で見てみると国道からも割と近く、開拓記念碑が建っているそうなので訪れてみたいですね。

奥白滝信号場を過ぎると、北見峠を貫く全長4,329mの石北トンネルに入ります。

石北トンネルを抜けるとすぐに上越信号場(旧:上越駅跡)を通過。1932年に設置され、1975年に廃駅、信号場へ格下げとなりました。

上越信号場は標高634mにあり、北海道内で一番高いところにある停車場です。

徐々に高度を下げつつ列車は走り中越信号場(旧:中越駅跡)を通過。1929年に設置され、2001年に廃駅、信号場へ格下げとなった駅です。

11時04分 丸瀬布駅を出発して約1時間、ノンストップで走り続けて列車は上川駅に停車。大雪山の麓にある北海道有数の温泉街「層雲峡温泉」の玄関口です。

石北本線の運行系統も上川駅分けられており、上川駅〜旭川駅間では1時間に1本程度の頻度で列車が走るようになります。

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上川盆地を快走

ここまで難所の続いた石北本線も上川駅を過ぎ上川盆地に入ると地形も平野になり線形もよく直線区間が続きます。

右側より音威子府・名寄を経由して稚内を結ぶ宗谷本線が合流してきました。

宗谷本線との分岐駅 新旭川駅を通過。石北本線を走る列車は全て旭川・札幌駅まで直通運転されますが、石北本線の起点駅はこの新旭川駅。この先旭川駅までは路線上宗谷本線を走ります。

終点 旭川駅に到着

11時43分 網走駅を出発して3時間38分。237.7kmを走り続けた特急「大雪」は終点の旭川駅に到着。

反対側のホームには札幌行き特急「ライラック」が「大雪」からの乗り継ぎ客を迎えます。冒頭で記述した通り「大雪」誕生の際、短縮された旭川駅〜札幌駅間は同区間を走る「ライラック」、「カムイ」が担うこととなり、対面乗り換えができるようになりました。

乗ってきた列車は車内清掃されたのち、約40分後の12時41分発網走行き特急「大雪1号」としてきた道を折り返していきます。

高架化された近代的な旭川駅構内にキハ283系のディーゼルエンジンのアイドリング音が響き渡っていました。

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特急「大雪」廃止後はどうなる?【特別快速「大雪」】にバトンタッチ

2025年3月のダイヤ改正後は以下のように列車が運行されています。

  • 特別快速「大雪」が旭川駅〜網走駅間に1日2往復運行
  • 特別快速「きたみ」は快速「きたみ」へ変更、北見駅〜網走駅間を延長し旭川駅〜網走駅間に1日1往復運行

特別快速「大雪」はH100系で運行されますが、所要時間・停車駅は特急時代とほぼ変わらないダイヤ・停車駅が組まれています。また特別快速なので乗車券のみで利用することができます。

下り(↓)上り(↑)
旭川12:38 発19:05 発11:51 着21:44 着
上川13:21 発19:46 発11:10 発21:04 発
白滝14:01 発20:24 発10:32 発20:25 発
丸瀬布14:19 発20:43 発10:13 発20:05 発
瀬戸瀬19:56 発
遠軽14:36 着
14:41 発
21:01 着
21:07 発
9:55 発
9:50 着
19:45 発
19:39 着
生田原14:56 着
14:57 発
21:23 着
21:23 発
9:35 着
9:35 発
19:24 発
19:20 着
留辺蘂15:18 発21:44 発9:15 発19:00 発
北見15:40 着
15:42 発
22:02 着
22:04 発
8:56 発
8:54 着
18:41 発
18:39 着
美幌16:06 発22:28 発8:31 発18:15 発
女満別16:17 発22:39 発8:20 発18:04 発
網走16:32 着22:54 着8:04 発17:49 発
2025年 特別快速「大雪」ダイヤ

現在は普通列車用のH100系が使用されていますが、今後JR北海道はH100系を改造した特別快速「大雪」用の列車を出す予定としています。座席などが変わるのでしょうか、こちらも続報が楽しみですね。

まとめ:特急「大雪」の最後の旅

今回は『【乗車記】さよなら特急「大雪」ラストラン!冬のオホーツクを駆け抜ける鉄道旅(網走→旭川)』という内容をお届けしました。

運行区間の見直しによる名称の復活、使用車両の変更。そして特急から特別快速へ・・・。

過酷な環境で長距離を走り続けるJ JR北海道の列車たち。北海道の各都市を結ぶ特急列車は徐々に数を減らしつつありますが、なんとか頑張って欲しいと感じてしまいます。

一方でJR北海道が発表した特別快速「大雪」用のH100系の改造車がどのような車内設備になるかも楽しみですね。最近では様々なラッピング車が走るようになり見た目も楽しいH100系なだけにどのように変わるのか。

今後が楽しみです。

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特急「大雪」は引退しましたが名前は引き継がれていますし、そのほかJR北海道が運行する特急列車はたくさんあります。「えきねっと」での割引きっぷや「きた北海道フリーパス」、「ひがし北海道フリーパス」などのエリア内の乗り放題パスもありますのでぜひ北海道へ鉄道旅に出かけてみてはいかがでしょう。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

  • この記事を書いた人

tomotabi

北斗星の旅をきっかけに旅行好きになり鉄道・飛行機旅へ| 鉄道乗車記|飛行機の搭乗記|ホテルの宿泊記|お得なきっぷ|を中心に記事を書いています|

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