みなさんこんにちは、tomotabitripです。
2015年8月12~13日の乗車記になります。
今回は上野駅発 臨時寝台特急カシオペアの札幌までの乗車記をお届けします。
旅の参考になれば嬉しいです。
カシオペアとは?
JR東日本が1999年(平成11年)に導入した寝台特急で、同区間を走る北斗星並び本州と北海道を結ぶ列車として活躍していました。
北斗星とは異なり全車両2階建て、全室2名用A寝台個室として作られており、北斗星よりもグレードアップした車両として運行されていました。
現在では「カシオペアクルーズ」や「カシオペア紀行」として団体専用列車なりJR東日本管内で運行されています。
停車駅
青森駅では2015年3月15日のダイヤ改正以降、北海道新幹線の工事のために下り列車では約2時間程度の運転停車が設けられていました。
牽引機関車
北斗星と同じように
上野~青森間:EF510
青森~函館:ED79
函館~札幌:DD51(重連)
で牽引されていました。
運行形体
使用されているE26系は1編成しか製造されておらず、
上野発(8009レ):火・金・日
札幌発(8010レ):月・水・土
で原則運行されていました。
カシオペア乗車記
出発は上野駅13番線ホーム
上野駅中央改札にある各方面への大きな行先表示で「小金井行」、「宇都宮行」などが並ぶ中、「札幌行」の文字が表示されています。
これから1214.7㎞、18時間55分の旅が始まります。
推進運転で入線
カシオペアが所属する尾久車両センターから上野駅までは最後尾の客車に信号や線路などを見張る乗務員が乗り込み、電気機関車が客車を押す「推進運転」という方法が用いられてきました。
出発準備
今回青森駅まで担当するのがEF510 510号機でした。
カシオペアの客車と同ように車体は銀色に塗装され、星のマークが側面につけられていました。
上野駅出発時は電気機関車の次位となる12号車の展望車です。
この展望車はカシオペアの乗客ならだれでも利用できる車両でした。
一方で反対側の1号車の車端部では1部屋のみある「カシオペア スイート(展望室タイプ)」がありました。大きな窓を一部屋で独占できるとても豪華な部屋となっていました。
乗車位置案内
上野駅13番線ホームには足元、頭上には乗車位置案内もありました。
出発時刻になり「あゝ上野駅」の発車メロディーが流れ出発します。
車内探索
1号車の通路
1号車の通路になります。
突き当りにカシオペアスイート(展望室タイプ)があり、そのほかはカシオペアスイート(メゾネットタイプ)が3部屋あります。
4~11号車の通路
4~11号車は1階、2階に分かれてそれぞれ個室があるので車内に階段がありました。写真は1階の通路になります。
ミニロビー
5,9号車にミニロビーが設置されており、写真のようなボックスシートもありました。
テレビモニター
定期列車時代には各室内に、テレビモニターが設置されており停車駅の案内や次の停車駅の案内などが表示されていました。
現在ではこのテレビモニターは撤去されてしまっているみたいです。
展望車
カシオペアの12号車に連結されている展望車になります。窓も大きく眺めはいいです。
この車両は編成全体への電源供給の役割も担っており、1階にはディーゼル発電機を搭載しています。
青森駅到着 1回目の機関車の交換
上野駅~青森駅まで牽引してきたEF510はここで役目を終え、青函トンネル用のED79へ交換になります。
青森駅では運転停車のため客扱いありませんが展望席から作業風景を見ることができました。
まずはEF510 を切り離します。
一度青森駅の先端まで進みポイント切り替え、進行方向を変えて別の線路に退避していきました。
反対側では青森駅~函館駅まで津軽海峡線での牽引機となるED79が連結作業が行われているはずです。
青森駅では2015年3月15日のダイヤ改正以降、北海道新幹線の工事のために長時間の運転停車時間が設けられており、約2時間ほど青森駅で停車となりました。
青森駅出発
わずかに空が明るくなり始めた、夜が明けきらないうちに青森駅を出発します。
青森駅で進行方向が変わり、青森駅~函館駅間の下り列車では後面展望を見ることができる区間となります。
窓がとても大きく、遮るものがないのでとても良い景色を見ることができます。
津軽海峡線内の景色
青森駅を出発し津軽線内を順調に走行し蟹田駅を通過後、中小国信号場にて津軽線と別れ海峡線に入ります。
アプローチ線を駆け上がると、左から建設中の北海道新幹線の線路が見えてきます。
北海道新幹線との共用予定区間に入り線路も三線軌条になりました。
合流区間では在来線のみが左右に分岐し、新幹線は直線する様子がよく見えます。
建設中の奥津軽いまべつ駅横を通過していきます。
駅舎自体はほぼ建設が終わっている感じで、在来線を跨ぐガラス張りの連絡通路も出来上がっている様子を見ることができます。
一方で、この時点では在来線部分も1線分しか建設が終わっておらず、工事が進行中であることがわかります。
反対側から来た貨物列車ではEH800が牽引していました。
当時はまだ津軽海峡線でもEH500が活躍しており、EH500とEH800が混在している状態でした。
海峡線内に入ると線形がよくなることもあり、速度を上げて進んでいきます。
何度かトンネルを通った後、先頭から長い汽笛が聞こえると青函トンネルへ突入となります。
青函トンネル突入するときに長く鳴らす汽笛はいいものです。
本州側にある竜飛定点(旧:竜飛海底駅)を通過中の写真だったかと思います。
普段は側面の窓から高速で通過することもあり、なかなか見る機会がないので見ることができてよかったです。
約40分で青函トンネルを通過し、ついに北海道に上陸しました。
私もこの時初めて見ましたが、北海道側の青函トンネルの出入口です。
引き続き海峡線を走り続けてきたカシオペアですが、速度を落としたなと思ったら木古内分岐部にて海峡線の共用区間から新幹線と在来線が分かれました。
分岐部はスノーシェルターに覆われています。
北海道新幹線と別れアプローチ線を下り、木古内駅方面にカーブしながら向かいます。
木古内駅を通過します。
現在の木古内駅は在来線部分は道南いさりび鉄道の駅となっています。
このままカシオペアは江差線(現:道南いさりび鉄道)を進み北海道最初の停車駅となる函館駅に向かいます。
函館駅到着 2回目の機関車交換
北海道に入り最初の停車駅となる函館駅に予定時刻より4分遅れての到着となりました。
ホームに降りて先頭部分に行ってみると、青森駅から函館までED79 20号機の牽引でした。
ここから先、函館駅~札幌駅までは非電化区間も走行するということでDD51重連が牽引します。
先頭でED79の切り離しを行っている反対側ではDD51の連結作業が行われます。
作業員が旗を振りながら客車の側まで誘導してきます。
連結の確認後、出発準備が整い次第、函館駅を出発します。
室蘭本線・千歳線の景色
函館駅より再び進行方向が変わるので12号車の展望車前にはDD51を見ることができます。
DD51の後ろ姿を大きな窓から見ることなんてほとんどないでしょう。
王子製紙の大きな煙突が見えてきたら苫小牧駅です。
東室蘭から先は電化されているので、架線の下をディーゼル機関車が走る様子を見ることができます。
沼ノ端駅を通過し室蘭本線と別れ千歳線へ入ります。
北斗やおおぞらなどの特急、エアポート快速など頻繁に列車が走る中、札幌駅を目指します。
途中駅では各駅停車の列車を追い越しながら走ります。
終点 札幌駅到着
室内のテレビにも終点、札幌の文字が表示されます。
今回乗車した部屋が下段だったため、線路がより近く見えます。
札幌駅手前にある複雑に分岐した線路の中をゆっくり進み、駅に入線していきました。
函館を出発して4時間36分、定刻より18分遅れて札幌駅に到着しました。
DD51の先頭部には「カシオペア」のヘッドマークが取り付けられています。
札幌駅到着後自分の止まった部屋を外からとってみました。
下段の部屋ということもあり、窓がホームと同じ高さにあります。
食事
カシオペアの食堂車でのディナー(和食コース or フランス料理コース)は先着順完全予約制でカシオペアのチケットを購入後みどりの窓口にて予約することになっていました。
カシオペア スペシャル弁当
食堂車でのディナーの他、自室で食べることができる重箱タイプのお弁当も事前予約することができるので、今回はそのお弁当を予約してみました。
今回予約した「カシオペア スペシャル弁当(3,800円)」になります。
3段になっており北海道の形をした昆布やいくらなど、とても豪華なお弁当でした。
パブタイム
カシオペアの食堂車ではディナーの時間が終わった後、軽食を食べれるパブタイムという時間がありました。
乗車した時はパブタイムでハンバーグを注文しました。
軽食時間という扱いでしたが、ハンバーグのようなしっかりした食事も提供されました。
朝食
カシオペアの朝食は事前予約など必要なく食べることができました。
メニューは「和食」と「洋食」の2種類でした。
こちらが洋食
こちらが和食でした。
どちらもなかなか豪華な食事だと思いました。
最後に
今回は臨時寝台特急カシオペアの乗車記になりました。
長い記事になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
北海道新幹線の工事が進み、大体の線路や施設などの建設が終わっており、海峡線内の新幹線・在来線の供用区間の景色をしっかりと見ることができました。
現在、この景色を見るためには四季島に乗らないとみることができない景色と思うと、とてもよかったと思います。