みなさんこんにちは、tomotabitripです。
東武線の浅草駅から日光方面に東武鉄道は「スペーシア」をはじめ様々な特急列車を運行していますが、一方で浅草駅に近いJR線の上野駅からは日光方面の特急列車は現在では運行されていません。
しかし今回は会社間の垣根を越え、ついに東武特急「スペーシア」が上野駅を発着。上野駅〜東武日光間に臨時特急が運行されることとなりました。
今回は2025年「夏の臨時列車」で設定された上野駅発 東武日光駅行きの臨時特急「スペーシア上野日光」の乗車記をお届けします。
スペーシア上野日光号とは

「スペーシア上野日光」は2025年 夏の臨時列車で初めて設定された列車で、上野駅〜東武日光駅間に1往復だけ設定されました。9/6が上野駅発東武日光駅行き(下り)、9/7が東武日光駅発上野駅行き(上り)です。
東武特急の乗り入れは新宿駅発着で東武日光・鬼怒川温泉方面にそれぞれ「スペーシアけごん」、「スペーシアきぬがわ」として定期運行されていますが上野駅への入線は今回が初めてになります。
おそらく東武鉄道の拠点である浅草駅が上野駅に近いといった経緯もあってこれまで直通運転がなかったのでしょう。
スペーシア上野日光 停車駅・時刻
下り | 上り | |
---|---|---|
上野 | 12:00 発 | 19:05 着 |
栃木 | 13:17 着 13:18 発 | 17:41 着 17:44 発 |
新鹿沼 | 13:33 着 13:34 発 | 17:26 着 17:26 発 |
下今市 | 13:50 着 13:52 発 | 17:09 着 17:10 発 |
東武日光 | 13:59 着 | 17:02 発 |
今回の「スペーシア上野日光」のダイヤの特徴は上野駅を出発すると次の停車駅は東武線 栃木駅です。新宿発着のスペーシアが停車する浦和、大宮駅は通過し1時間17分旅客取扱の停車はありません。
スペーシア上野日光 乗車記
東武スペーシアが上野駅13番線に入線

上野駅中央改札にある大きな列車案内板。様々な方面に列車が発車して行く中で普段では見慣れない「特急スペーシア上野日光」の文字がついに表示されました。
臨時列車のため文字枠が整っていないのか、列車名や発車時刻などが上段の普通列車とずれているのが特徴的でした。

上野駅13番線の列車案内板にも「東武日光」行きの表示。
13番線ホーム先頭よりは一部立ち入り禁止テープが張られていました。また、出発の1時間半前に上野駅に着きましたがホーム頭端は人気ですでに大勢の人が既にスタンバイしていました。

11:36、ゆっくりと東武特急スペーシアの車両が上野駅13番線ホームに入線してきました。初めて上野駅に東武特急がやってくることに!

14番線に停車中の12:10発の特急「草津・四方」と並びました。
「ひたち」と並走!

早速乗車。JR線に乗り入れる特急「スペーシア」は1〜5号車は普通車指定席、6号車のコンパートメント個室はグリーン車として発売されます。
普通車の座席配置は2+2列シート。普通車なのにフットレストが設置されている豪華な座席です。インアームテーブルの他、壁側には対面4席とした際でも使えるテーブルが設置されています。

12:00、大勢の人に見送られて時刻通り上野駅を発車。ゆっくりと地平ホームを後にします。

出発後、ほとんど加速せずゆっくりと走っていたので臨時列車のためかと思っていましたが・・・、それには理由がありました。
なんと高架ホームから走ってきた12:00発の特急「ひたち」(イエロージョンキル塗装)と並ぶことに!そして並ぶとすぐにスペーシアも加速開始。おそらくスペーシアが加速をほとんどしなかったのはこの並走をするための微調整だったのでしょう。
上野駅の名物だった特急列車の同時発車を再現しているような雰囲気が感じられました。
大宮駅を通過

上野駅を出発した列車は東北本線を北上していきます。赤羽駅を通過し埼京線・東北新幹線と分かれます。

赤羽駅を過ぎると荒川を渡り埼玉県に入ります。

新宿駅を発着する「スペーシア」、高崎線方面の特急列車は必ず停車する浦和駅を通過。

京浜東北線と並走しつつゆっくりとさいたま新都心駅を通過。ゆっくり走っていたので京浜東北線にも抜かれてしまいました。

列車は大宮駅9番線をゆっくり通過。大宮駅をスペーシアに乗って通過する日が来るとは・・・!
先述の停車駅・時刻表のところでもあるとおり、今回の「スペーシア上野日光」は大宮駅を通過するダイヤが組まれています。大宮駅を通過するのは上野駅〜大宮駅という短区間乗車を避けてもらうのと、上野駅と東武日光方面の乗車を目的にした運行を考えられた結果だと思われます。
ということで、基本的に新幹線・特急列車を含めた全ての列車が停車するターミナル駅の大宮駅を通過する異例の走りを見せてくれました。
栗橋駅で東武線へ

大宮駅と通過した後は新宿発着のスペーシアと同様に東北本線を北上していきます。

途中の久喜駅では東武伊勢崎線と合流。東武鉄道の車両を別の路線から眺める不思議な感じ。

栗橋駅手前で右から東武日光線と合流。

JR線と東武日光線を直通する列車は栗橋駅の連絡線上に停車し乗務員交代が行われます。上野駅を出発して以来一度も停まることなく走り続けてきた列車も乗務員交代のため栗橋駅の連絡線で一旦停車。

乗務員交代が行われるとゆっくりと連絡線を進みJR線から東武日光線に入ります。右側に今まで走ってきた東北本線が分かれていきます。
さて、この連絡線には会社間の境界ということもあり電気の通ってない区間、デッドセクションがあります。車内放送にてその区間では空調や車内灯が消えるアナウンスがありました。空調が止まり車内はまるで乗客の皆さんも一緒に息を止めたかのように急に静かになりました。
「セクション出」が見えるとデッドセクションは終了となり空調、車内灯がつきます。ポイントを渡り下り線に入るとスペーシアは加速を始めました。
最初の停車駅 栃木駅

東武日光線に入ると早速スペーシアXとすれ違い。
さて、東武線内に入ると車内にて乗務員による乗車記念カードが配布が始まりました。

利根川橋梁を渡ります。

元日比谷線直通の20050型から転用され、先頭車が5扉から3扉に改造された20400型とすれ違い。元々は扉があった場所の改造具合が目立ちますね!

13:17 、上野駅を出発して1時間17分。84.6kmをほぼノンストップで走り続けた列車は時刻通り栃木駅に到着。途中栗橋駅で乗務員交代のため運転停車はありましたが、旅客扱いの停車駅はこの栃木駅が初めてです。

栃木駅を出発すると写真奥(小山方面)に向けて両毛線が分かれていきました。
新栃木を過ぎると2枚目の乗車記念カードの配布がありました。
東武線内を快走

東武宇都宮線との分岐駅である新栃木駅を通過。駅構内の留置線にはスペーシアの特別塗装の一つ「いちごスペーシア」編成が留置されていました。
線形が良いのか東武線内の直線区間では120キロ近い高速での走りを見せてくれます。

13:33、新鹿沼駅に停車。
すごいいちごの装飾された駅だと思ったら栃木県誕生150周年、鹿沼市制75周年を記念して新鹿沼駅を始め市内5駅の駅名看板等の装飾が実施されたためでした。
新鹿沼駅まで来ると列車はJR日光線とほぼ同じルートを走ります。ほぼ同じとはいうものの線路同士が近くなるということはなく、東武鉄道とJR(国鉄)との東京〜日光間での旅客輸送の競合の雰囲気を薄々感じてしまいます。
最後の停車駅 下今市駅

新鹿沼駅を過ぎるとしばらくは田畑の広がる中を走りますが、関東平野の北端に徐々に近づいていることもあり車窓には山々の姿が見えてきました。

下今市駅に隣接した下今市機関区を見ながら下今市駅に到着。機関区では北斗星色のDE10が整備中でしたが整備をされていた方達がスペーシアに手を振りながらお出迎えしてくれていました。

13:50、最後の途中停車駅である下今市駅に到着。当駅は東武日光方面と鬼怒川温泉・会津田島方面への分岐する主要駅。また観光列車「SL大樹」の運行の拠点駅でもあります。SL運行に合わせて駅名標やベンチなどレトロ調のものに変更されたとのこと。
当駅で鬼怒川温泉方面に乗り継げるようダイヤが組まれたのか「スペーシア上野日光」が到着後、乗り換え時間1分で新藤原駅行き普通列車に乗り継げるようになっていました。

下今市駅を出発すると右側に鬼怒川線が分かれていきます。終点の東武日光駅まで後少し、最後の時間を楽しみます。
終点 東武日光駅に到着

13:59、列車は終点の東武日光駅に到着。

駅では日光詣カラーの「スペーシア」、「リバティ」と並びました。最奥が14:10発浅草行き特急「けごん34号」、真ん中が13分後の14:23発浅草行き特急「リバティけごん36号」。東武鉄道の日光からの特急列車は多いですね!


ホーム上では「スペーシア上野日光号」の横断幕を持った東武鉄道、JRの社員の方々がお出迎えしてくれました。また今回の運行に関わったであろう東武鉄道とJRの社員の方が写真を撮りあっていてとても和やかな雰囲気でした。

乗ってきた列車を使用した折り返し列車の設定はないので車内清掃などは行われず、回送列車として下今市方面に走り去っていきました。上りの東武日光駅発上野駅行きは翌日9/7に運行されました。
まとめ|スペーシア上野日光 乗車記

今回は『【ついに実現!】上野駅に東武スペーシアが初入線!スペーシア上野日光号乗車記(上野→東武日光)』をお届けしました。
かつて北海道・東北・信越方面の各特急列車が発着した上野駅13番線を出発し大宮駅を通過するという走りを見せ、東武日光駅までを結ぶ史上初の運行でした。
JR上野駅と東武浅草駅は駅としては距離が近く基本的には棲み分けされるような感じなるのでしょうが、今後の臨時列車の設定はどうなるのでしょう。上野駅まで乗り入れた実績ができたので上野東京ラインを経由して東京駅・品川駅発着の設定がされるなんて日も来るのかもしれません!期待が膨らみますね。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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