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【士幌線】崩壊が進むタウシュベツ川橋梁見学ツアー森の中の廃線跡を探索

2024年6月17日

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みなさんこんにちは、tomotabitripです。

かつて北海道では豊富な木材資源・石炭資源などを輸送するために数多くの線路が敷かれ、またそこで働く人・住む人の輸送をになう列車も運行されていましたが時代とともに需要が変わり、採算の取れなくなった路線は廃止となり地図上から消えていきました。

今回はそんな廃線のうちの一つである「旧国鉄士幌線」のタウシュベツ川にかかる「タウシュベツ川橋梁見学ツアー」の様子をお届けします。

本記事の概要

  • 士幌線とは?
  • タウシュベツ川橋梁見学するには?、予約方法はどうする?
  • タウシュベツ川橋梁見学ツアーの様子をお届け!
  • 士幌線廃線跡も探索

旅の参考になれば嬉しいです。

旧国鉄士幌線とは

©OpenStreetMap contributors

タウシュベツ川橋梁を走っていたのは、帯広駅と十勝三股駅までを結んでいた78.3kmの旧国鉄のローカル線で、1939年に全線開業しました。

開業当時、十勝三股駅付近は林業が盛んで木材の搬出の他、糠平駅には温泉客やスキー客などの行楽客にも利用されていました。
しかし戦後、森林資源の枯渇や需要の減少により輸送量が低下し、十勝三股駅付近の集落がなくなり過疎地域となりました。
道路整備やバス輸送への転換もあり、1987年3月に帯広駅〜十勝三股駅間全線が廃止となりました。

タウシュベツ川橋梁とは

©OpenStreetMap contributors

タウシュベツ川橋梁とは、旧国鉄士幌線の音更川の支流タウシュベツ川にかけられたコンクリート製のアーチ型の橋です。
戦後、音更川での水力発電を目的とした糠平ダム建設に伴い糠平駅を含めた周辺がダム湖に沈むこととなり、士幌線は湖の西側を迂回するような新線へ切り替えられました。
この、ダム湖に沈む区間にあるのが今回訪れるタウシュベツ川橋梁になります。

水没による水圧、冬季には湖の氷結などで年々崩壊が進みいつ連なるアーチ橋が崩壊しても良いと言われている橋でもあります。

場所・アクセス

帯広駅から車で1時間50分(78.8km)

帯広駅から糠平公園までバスの場合

  • 北海道拓殖バス:1時間35分(1,800円) 糠平温泉郷で下車
  • 十勝バス:1時間47分(1,330円)糠平公園で下車

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タウシュベツ川橋梁見学ツアー

糠平温泉文化ホールに集合

8時40分、9時からのタウシュベツ川ツアーに参加するために「糠平温泉文化ホール」にやってきました。受付で予約者の名前を伝えてツアーの参加代金を現金で支払います。

ツアーの参加代金:4,500円/人

ツアーに参加するにはあらかじめ「ひがし大雪自然ガイドセンター」のホームページより予約が必要です。(参加予定日の3ヶ月前から予約可能です)

貸し出しの長靴に履き替えて、3台の車に分かれて出発。国道273号線を進みます。

タウシュベツ川橋梁に向けて林道を進む

旧士幌線の線路跡

途中で国道273号線を外れ、狭い林道を進みます。この林道を通行するには上士幌町観光協会の許可を得る必要があり事前予約の上、ゲートをの鍵を受けとる必要があります。

上士幌町観光協会 タウシュベツ川橋梁のホームページはこちら

文化ホールから30分ぐらいで一番近い駐車場に到着。ここからは徒歩で向かいます。途中には大雨で流れてきたとされる大きな木を避けたり、乗り越えたりしながら進んでいきます。

タウシュベツ川橋梁到着

手前が十勝三股方面、奥が帯広方面です

林道を抜けると旧国鉄士幌線「タウシュベツ川橋梁」に到着。
全長130m、11連のコンクリート製のアーチ橋。1939年に完成し1955年のルート変更までの16年間使われていました。

線路の切り替えから約70年。糠平湖の水位の変動で水に出入りするたびに崩壊が進み、特に橋の中心部ではコンクリートの外壁が剥がれ、中に詰められていた石が崩れている状態になっています。

崩壊の危険もあり橋周囲にはロープが敷かれ、橋の上を歩くことや真下に行くことはできません。
それでもかなり近づいて橋を見学できるのはこのツアーの魅力!

かつてはこの上を単線の線路が走っていました。

季節によっては糠平湖の水位が上がり橋を見上げることができないこともありますが、今回は水が少なく橋の周囲をぐるっと1週することができました。

ガイドの方によると、上の写真にあるコンクリートの壁は両岸にあったようですが崩壊してしまいこの写真の場所にしかないそう。

ここ数年で崩壊の速度が上がっているようで、アーチ橋の形で繋がっている姿を見られるのもあとわずかと言われているそうです。
水に沈んでいる時の水圧と、冬季に水が凍り膨張した結果、劣化の速度を早めているのだとか。

ダム湖の底から見る大雪山系の山々の景色は綺麗ですのでお見逃しなく!

あっという間にタウシュベツ川橋梁の見学は終わり来た道を戻ります。

しかしこのツアー、これで終わりではありません。

士幌線廃線跡を巡る

幌加駅の北側にある「第五音更川橋梁」。1938年に完成した全長109mのコンクリート製のアーチ橋で川にかかる部分だけアーチの径が大きいのが特徴です。
(川の部分は23m、それ以外は10m)

タウシュベツ川橋梁と同時期に作られた橋ですが、タウシュベツ川橋梁と比べて状態はよく、水没し氷結の影響を受けるかどうかが保存状態にとても影響することを実感できます。

幌加駅跡を探索

線路跡を歩いて向かいます

「第五音更川橋梁」の見学を終えると少し南に戻り「幌加駅跡」見学をします。こちらはタウシュベツ川橋梁と異なり国道のそばにあり自由に見学できます。

駅構内は二手に分かれており、列車の行き違いができる構造であったことがわかります。
写真のポイントは手動で動かすことができるので、訪れた際にはぜひ動かしてみてください!

駅名標は当時を再現したレプリカだそうですが、ホームと線路は当時のものがそのまま残されています。
1970年に貨物取扱の終了と無人駅化、1978年には糠平駅〜十勝三股駅の運行停止に伴い事実上廃駅となりました。

最盛期の幌加駅周辺には民家や商店などが多数立ち並び町を形成していたそう。
現在ではその面影はほぼなく、上の写真のように建物の土台が残っているだけだったり、当時使われていたと思われる食器などの生活雑貨の残骸がたまに茂みの中に落ちていることがあるそう。

ここでもガイドの方がかつての写真をもとに詳しく解説してくれます。

駅構内から糠平方面を見てみます。
廃線から約70年も経過すると小さかった木々もかなり大きなものに。人の手が入らないと自然に帰る様子も感じられました。

帰路の途中にも廃線跡を見学

幌加駅跡の見学が終わり車に乗り込み文化ホールへ戻ります。戻る途中には「五の沢橋梁」を車内から見学。
五の沢橋梁は移設に伴い架けられた橋で1955年に建設されました

小さいながらも立派なアーチ橋。

続いて「三の沢橋梁」を車内から見学。三の沢橋梁は五の沢橋梁と同様、移設に伴い架けられた橋で1955年に建設されました。
橋には欄干が設置され歩いて渡ることができるそう。

近くには駐車場もあるので訪れるのは簡単ですね。次訪れた際にはこの橋を歩いて渡ってみたい!

文化ホールへ戻り、借りていた長靴を返却して解散。
約3時間にわたるタウシュベツ川橋梁ツアー(旧士幌線廃線跡巡り)は終わりになりました。

最後に

今回は糠平湖に残る旧国鉄士幌線の「タウシュベツ川橋梁見学ツアー」についてお届けしました。

タウシュベツ川橋梁だけでなく士幌線跡を探索できるのでとても楽しいツアーで大満足でした。
また、タウシュベツ川橋梁に近づくには個人手配でも可能ではありますが、本ツアーに参加するのが一番楽かと思われます。

タウシュベツ川橋梁は糠平湖の水位によって現れたり沈んだりする上冬季の氷結などの影響で劣化が進み、いつ崩壊しても良いと思われている状態です。橋梁全体が繋がっている状態を見るのならば、なるべく早く見学に行くのがオススメです!

北海道の大自然の中に残る旧国鉄士幌線の廃線跡に出かけてみてはいかがでしょう。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

  • この記事を書いた人

tomotabi

北斗星の旅をきっかけに旅行好きになり鉄道・飛行機旅へ| 鉄道乗車記|飛行機の搭乗記|ホテルの宿泊記|お得なきっぷ|を中心に記事を書いています|

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