みなさまこんにちは、tomotabitripです。
1日2,410円で日本全国のJR全線の普通・快速列車が乗り放題となる青春18きっぷですが、一部の区間では普通・快速列車の運行がとても少ないいわゆる「難所」と呼ばれる区間があり、普通列車での乗り継ぎを考えると何時間も待たなければならないこともあります。
せっかく旅に出たのに普通列車が来なくて先に進めない・・・なんてことが起こる区間があります。
そんな区間は「ワープ」してしまいましょう!
今回は、青春18きっぷを使用した時の「ワープ」についての説明と「ワープ」をおすすめする区間を紹介します。
青春18きっぷの基本編はこちら
青春18きっぷ使用時の「ワープ」とは?
JR線全線の普通・快速列車が乗り放題の青春18きっぷですが、普通列車の運行本数が1日数本しか走ってないにも関わらず、特急列車はたくさん走っているような区間があります。
このような区間を普通列車だけで乗り通そうとすると乗り継ぎなど時間がかかり、目的地への到着が遅くなり最悪たどり着けないということが起こります。
そこで、普通列車の運行の少ない区間だけ特急列車・新幹線を使用する「ワープ」という方法があります。もちろん青春18きっぷだけでは乗れないので別途、乗車券+特急券等の購入が必要になります。
追加の出費にはなりますが所要時間の短縮や待ち時間の短縮ができ、「あそこの乗り継ぎがうまくいけばもっと先まで行けるのに・・・」という悩みを解決してくれます。
どうしても料金を出したくない、普通列車だけで乗り継ぐ!ということでなければぜひ、この「ワープ」の利用も検討してみるのもよいでしょう。
青春18きっぷでのおすすめワープ区間
石北本線:上川~遠軽間
旭川~網走を結ぶ石北本線。もともと運行本数が少ない石北本線ですが、特に上川駅~遠軽駅間は直通する普通・快速列車が上下2本ずつしかない運行本数が特に少ない区間になります。
途中の白滝駅~遠軽駅間を運行する列車が1日2本ずつ設定されていますが、旭川〜網走間を乗り通す為には上下1日2本ずつのうちどちらかに乗るしかありません。
出発駅 | 列車 |
---|---|
上川発 | 11:08(遠軽行き) |
15:39(北見行き)(特別快速きたみ) | |
遠軽発 | 11:42(旭川行き)(特別快速きたみ) |
13:27(旭川行き) |
もしこの2本の列車を乗り過ごしてしまうと、かなり目的地の到着が遅くなってしまいます。
そこでこの区間に上下2本ずつ走っている特急「オホーツク」、「大雪」を使って「ワープ」を利用しましょう。
乗車区間 | 運賃 | 特急料金(自由席) |
---|---|---|
上川~遠軽 | 1,890円 | 1,150円 |
白滝駅よりも遠軽駅を発着する列車の本数が多いので、「ワープ」で特急を利用するならば上川駅~遠軽駅がおすすめです。
とはいえ、遠軽駅からも普通列車の本数は少ないので乗りに行く際は時刻に注意が必要です!
石勝線:追分~新夕張~新得
札幌から帯広・釧路を結ぶ石勝線には高頻度で特急が運行されている一方で、普通列車の運行は非常に少ない路線です。
特に新夕張駅〜新得駅間は普通列車の運行はなく、特急列車の運行しかないことから青春18きっぷのみで特急列車に乗れる特例区間に指定されているほどです。
新夕張駅〜新得駅間が注目される区間ですが、追分駅~新夕張駅間を走る普通列車の運行本数もかなり少ない区間で下り2本、上り3本しかありません。
出発駅 | 列車 |
---|---|
追分発(下り) | 11:40(新夕張行き) |
17:56(新夕張行き) | |
新夕張発(上り) | 6:16(追分行き) |
12:37(追分行き) | |
18:37(追分行き) |
一方で特急「おおぞら」、「とかち」は1~2時間に1本の頻度で運行されています。
そこで、この区間では別途料金を払い追分駅~新得駅まで特急で「ワープ」を利用しましょう。
乗車区間 | 運賃 | 特急料金(自由席) |
---|---|---|
追分~新得 | 2,420円 | 1,830円 |
追分~新夕張 | 640円 | 640円 |
できるだけ出費を抑えるならば、特急を新夕張駅で一旦降りて次の特急を待ち、青春18きっぷの特例を利用するという方法もあります。
田沢湖線:盛岡~田沢湖・大曲
盛岡駅~大曲駅を結ぶ田沢湖線。秋田新幹線「こまち」も走る路線ですが、雫石駅~田沢湖駅間の岩手・秋田県の県境を越える区間を直通する普通列車は上下それぞれ4本ずつしかありません。
出発駅 | 列車 |
---|---|
雫石発 | 5:35(大曲行き) |
14:54(大曲行き) | |
16:30(田沢湖行き) | |
18:33(大曲行き) | |
田沢湖発 | 6:44(盛岡行き) |
7:41(盛岡行き) | |
15:53(盛岡行き) | |
17:54(盛岡行き) |
雫石駅の場合、朝5時台の列車の次は14時台まで無く9時間以上も空く時間帯があるほどです。
一方で同じ区間を走る秋田新幹線「こまち」は1時間に1本程度の頻度で運行されており、日中通り抜けるためには秋田新幹線「こまち」を利用するしかありません。
乗車区間 | 運賃 | 特急料金(特定特急券) |
---|---|---|
盛岡~田沢湖 | 770円 | 760円 |
盛岡~角館 | 1,170円 | 1,130円 |
盛岡~大曲 | 1,520円 | 1,130円 |
田沢湖駅・角館駅からの普通列車の本数が少ないので、少し料金はかかりますが盛岡駅〜大曲駅まで一気に「こまち」でワープしてしまった方が良いでしょう。
秋田新幹線は全車指定席で自由席はありませんが、盛岡駅〜秋田駅間では「特定特急券」が設定されています。この特急券では普通車指定席の空いている席に座ることができます。
IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道:盛岡~八戸~青森
盛岡駅~青森駅間はもともとJR東北本線でしたが、東北新幹線の延伸によりJRより第三セクターのIGRいわて銀河鉄道(盛岡~目時)・青い森鉄道(目時~青森)へ移管されました。
この区間はJR線ではないので青春18きっぷで乗ることができません。八戸駅~青森駅間は青春18きっぷを利用できますが、盛岡駅~八戸駅間は青春18きっぷが利用できず別途運賃が必要になります。
この区間は運行本数が少ないわけではないのですが、別途料金が必要ならば横を走る東北新幹線と比較してみると以下の通り。
乗車区間 | 路線 | 運賃 | 特急料金(特定特急券) | 時間 |
---|---|---|---|---|
盛岡~八戸 | IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道 | 3,110円 | ― | 約1時間50分 |
盛岡~八戸 | 東北新幹線 | 1,690円 | 1,840円 | 約40分 |
驚くことに新幹線(3,530円)と在来線(3,110円)を利用した場合の差額は420円しかありません。一方で所要時間は1/3程度まで短縮することができます。
ほぼ同じ料金を出すならば、所要時間が短くなり先の旅先が広がる新幹線の利用もおすすめです。
奥羽本線:福島~米沢
福島駅~青森駅を結ぶ奥羽本線。その中でも福島駅~米沢駅間は険しい板谷峠があり、かつては4駅連続のスイッチバックがあった区間です。
山形新幹線「つばさ」も走るところですが、福島・山形県の県境を越える区間を直通する普通列車は上下それぞれ6本ずつしかありません。
出発駅 | 列車 |
---|---|
福島発 | 7:14(米沢行き) |
8:04(米沢行き) | |
12:51(米沢行き) | |
16:04(米沢行き) | |
19:06(米沢行き) | |
21:10(米沢行き) | |
米沢発 | 7:18(山形行き) |
8:08(山形行き) | |
13:08(山形行き) | |
17:44(山形行き) | |
18:42(山形行き) | |
20:40(山形行き) |
時間も朝と夕方に集中しており、日中の運行は上下1本ずつしかありません。時間帯によっては4時間以上空いてしまうところもあります。
一方、この区間を走る山形新幹線「つばさ」は1時間に1本程度の頻度で運行されているので、これを利用しましょう。
乗車区間 | 運賃 | 特急料金(特定特急券) |
---|---|---|
福島~米沢 | 770円 | 760円 |
【所要時間】
- 新幹線:約30分
- 普通列車:約50分
普通列車だと4時間以上待たなければなりませんが、1時間に1本程度運行されている「つばさ」を福島駅~米沢駅間で利用すれば大幅な時間短縮が望めます。
上越線:水上~越後湯沢
上越線の水上駅~越後湯沢駅間。上越国境と呼ばれる関東と上越の境となる区間です。
この上越国境を越え水上駅~越後湯沢駅間を直通する列車は上下それぞれ5本ずつしかないうえに、日中には1往復しかありません。
途中には「もぐら駅」で有名な土合駅がありますが、在来線で乗り通すには難所となる区間です。
出発駅 | 列車 |
---|---|
水上発 | 8:28(越後湯沢行き) |
9:43(越後湯沢行き) | |
13:32(越後湯沢行き) | |
17:50(越後湯沢行き) | |
20:50(越後湯沢行き) | |
越後湯沢発 | 6:12(水上行き) |
8:14(水上行き) | |
12:16(水上行き) | |
15:08(水上行き) | |
17:52(水上行き) |
この区間を走る特急列車はないので上越新幹線を利用します。
上越新幹線の「ワープ」の仕方は2通りあり、後閑駅か水上駅よりバスに乗り上毛高原駅から越後湯沢まで利用する方法と高崎駅から越後湯沢駅まで乗り通す方法です。
乗車区間 | 路線 | 運賃 | 特急料金(自由席) |
---|---|---|---|
上毛高原~越後湯沢 | 上越新幹線 | 860円 | 880円 |
高崎~越後湯沢 | 上越新幹線 | 1,690円 | 1,870円 |
【関越交通 バス】
- 後閑駅~上毛高原駅:10分(230円)
- 水上駅~上毛高原駅:25分(630円)
上毛高原駅から上越新幹線を利用すると特定特急券扱いになり出費を安く抑えられますが、バスの時刻の注意しなければなりません。一方で、高崎駅~越後湯沢駅で利用すると時間的に早いですがその分出費が多くなります。
日豊本線:佐伯~延岡
日豊本線の佐伯〜延岡間は「宗太郎越え」と呼ばれる区間で普通列車での乗り通しは非常に難所として知られています。
その理由は列車の本数の少なさ。
上下列車合わせて1日3本しか普通列車がありません。
佐伯発(下り) | 6:18(延岡行き) |
延岡発(上り) | 6:10(佐伯行き) |
20:07(佐伯行き) |
- 佐伯発(下り):6:18
- 延岡発(上り):6:10、20:07
下りは朝1本を逃すと普通列車での乗り通しはできなく、下りも早朝と深夜にしかなく日中の普通列車の運行はありません。
そのため、この区間の移動はほぼ特急列車に乗らざるを得ない区間になります。
この区間には特急列車は「にちりん」、「にちりんシーガイア」をあわせた上り8本、下り9本の特急が走っています。
乗車区間 | 運賃 | 料金(自由席) |
---|---|---|
佐伯~延岡 | 1,130円 | 1,000円 |
最後に
今回は青春18きっぷ使用時のおすすめのワープ区間についてお届けしました。
出費は増えますが、普通・快速列車の運行が少ない「難所」では特急列車や新幹線を使った「ワープ」の使用することで、大幅な時間短縮ができるぶん目的地の幅も広がりますし、観光に使える時間も増えますよ!
もし乗り継ぎに困った際には同区間を走る特急列車・新幹線の利用を考えてみてください!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
飛行機とあわせて利用する方法