2018年6月の旅行になります。
今回は豪雪地帯で活躍していた排雪列車「キマロキ編成」の静態保存を見に行ってみました。
キマロキ編成とは?
線路に積もった雪の除雪はラッセル車が用いられていますが、ラッセル車だけだと線路脇に除雪した雪が高くなり雪が崩れる恐れがあります。
そこで、除雪した雪を線路の遠くへ除雪する必要がありました。
そのために活躍した列車が「キマロキ編成」と呼ばれるものでした。
キマロキとは、組成されている車両の頭文字をとってつなげられた読み方で、
キ:機関車
マ:マックレー(線路脇の雪を崩し、線路上にかき集める車両)
ロ:ロータリー(集められた雪を遠くへ飛ばす)
キ:機関車
4両で1編成として組まれていました。
作業中はマックレーとロータリーは連結されず少し車両間隔をあけて運用されていたようで、「キマ」、「ロキ」のように切り離され走行していたそうです。
静態保存場所
この「キマロキ編成」が静態保存されている場所は、宗谷本線名寄駅そばの名寄市北国博物館の敷地内にあります。
地図で見てわかるように、名寄駅から徒歩でも行くことができる場所です。
この保存されている場所は名寄駅から分かれ、上川郡や紋別市などを通り石北本線の遠軽駅と接続していた旧名寄本線上に保存されています。
キマロキ編成を見に行く!
先頭から、機関車、マックレー、ロータリー、機関車の順に連結されています。
反対側から、全体が映るように写真を撮ってみました。
蒸気機関車 9600形
先頭の蒸気機関車は9600形の59601。
この機関車は川崎造船所で製造後、富良野機関区経て名寄機関区へ配属。その後は除籍されるまで宗谷本線を走り抜けていました。
先頭には「キマロキ編成」と「準鉄道記念物」の文字が書かれたプレートもついていました。
キ911号機(マックレー車)
マックレー車の車内です。
ここでは線路幅やホームなどに合わせて「ハ」の字に広がり雪を掻き寄せる羽根の幅を調節していました。
キ604号機(ロータリー車)
ロータリー車の中。
ロータリー車は羽根車の駆動に蒸気機関を用いており、蒸気機関車ではないけれど、ボイラーを持っていたり、炭水車を必要としたり特徴的な車両です。
蒸気機関車 D51 398
4両目に連結されている蒸気機関車はD51 398号機
このD51は日本車両で製造後、岩見沢、追分、旭川、北見機関区を経て、名寄機関区所属なりました。北海道の各地を転々とし晩年は名寄で活躍してたようです。
この機関車も9600型に負けず、宗谷本線で活躍していたことでしょう。
ヨ4456号車(車掌車)
この車両には作業補助員などが添乗していたようです。
現役当時も最後尾には車掌車を連結し運転されていたとのことです。
旧名寄本線跡
名寄駅から宗谷本線と別れた旧名寄本線跡地は現在コンクリート舗装され森の中に続いていきます。
キマロキ編成が保存されている線路はかつてこの道をまっすぐ進み、最終的には石北本線の遠軽駅とつながっていたなんて今では想像できないです。
今回は名寄市北国博物館に保存されているキマロキ編成を見に行ってみました。
マックレーやロータリーは小樽市総合博物館にも保存されているようですが、キマロキ編成が組成されて保存されている場所はこの名寄市北国博物館しかないようです。
今では見ることができない蒸気機関車を2両も使った除雪列車を見に行ってみてはいかがでしょう。
このキマロキ編成は無料で見ることができます!!