みなさんこんにちは、tomotabitripです。
2022年4月11日、前日に寝台特急「サンライズ出雲」で東京から出雲市に入り、翌朝の特急「やくも10号」で出雲市から岡山まで乗り通しました。
やくもは、山陰と山陽を伯備線経由で結ぶ「陰陽連絡特急」です。筆者が乗ったのは、国鉄型の381系が走っていた時代。自然振り子で車体を傾けながらカーブを駆け抜ける走りと、宍道湖や大山の車窓が魅力で、山陰〜山陽を移動する人や、車窓をじっくり楽しみたい人に向いている列車です。
この記事では、やくも10号の基本情報・現在の料金・おすすめ座席から、381系での実際の乗車の様子までまとめてご紹介します。
【特急やくもとは】

特急「やくも」は、JR西日本が岡山〜出雲市間220.7kmを、山陽本線・伯備線・山陰本線経由で結ぶ特急列車です。1972年3月、山陽新幹線の岡山開業に合わせて誕生しました。
運転日は毎日で、1日15往復が走っています。
1982年の伯備線電化からは、カーブで車体を傾けて速く走る振り子式の381系が使われてきました。2007年からはリニューアル車「ゆったりやくも」が走り、筆者が乗った当時も、この381系の振り子式車両が使われていました。
2024年4月6日に新型の273系がデビューし、381系は同年6月15日で定期運行を終えました。現在のやくもは、すべて273系で運転されています。
【基本情報】
| 列車名 | 特急「やくも」10号 |
|---|---|
| 運行区間 | 岡山〜出雲市(山陽本線・伯備線・山陰本線経由) |
| 乗車区間 | 出雲市 8:31発 → 岡山 11:39着(約3時間8分) |
| 使用車両 | 381系 4両編成(乗車時) ※現在は273系 |
| 利用したきっぷ | 乗車券・特急券:えきねっとで購入(普通車指定席) |
使用車両|381系(現在は273系)

筆者が乗ったやくも10号は、381系「ゆったりやくも」の4両編成でした。
岡山方の先頭車は、特徴的な貫通型です。増結時は前面のドアを開けて、車両の間を通り抜けられるようになります。特急シンボルマークの逆三角形は、塗装で表現されていました。

出雲市方の先頭車は、おなじみの国鉄型特急らしい非貫通型です。こちらの逆三角形は立体的で、ヘッドマークの左上にはL特急時代の「L」マークも残っていました。


381系の普通車は、2列+2列の横4列。床が通路より一段高くなっているのが特徴でした。
現在の273系は、JR西日本などが新たに開発した「車上型の制御付自然振り子方式」を採用し、乗り物酔いの評価指数を最大23%改善しています。全席コンセントと車内Wi-Fiを備え、全車指定席です。
停車駅・時刻表|やくも10号(出雲市→岡山・乗車時)

| 駅名 | 時刻 |
|---|---|
| 出雲市 | 8:31発 |
| 宍道 | 8:42発 |
| 玉造温泉 | 8:51発 |
| 松江 | 8:58発 |
| 安来 | 9:13発 |
| 米子 | 9:22発 |
| 伯耆大山 | 9:28発 |
| 根雨 | 9:52発 |
| 生山 | 10:06発 |
| 新見 | 10:37発 |
| 備中高梁 | 11:06発 |
| 倉敷 | 11:28発 |
| 岡山 | 11:39着 |
途中駅は発時刻、岡山は着時刻。2022年3月12日改正ダイヤ(出典:JR西日本米子支社「2022年春 ダイヤ改正について」、鉄道プレス「特急【やくも】の時刻表・運用車両まとめ|2022年3月改正版」)
根雨駅では、上下の列車の行き違いのため4分間停車しました。乗車当時は、15往復のうち3往復が金・土・日・祝日中心の運転となっており、平日は運転本数が少なくなっていました。現在のダイヤ(2026年3月14日改正)では時刻が変わっているため、最新の時刻はJRおでかけネットで確認してください。
料金|出雲市〜岡山
| 座席 | 内訳 | 合計 |
|---|---|---|
| 普通車 指定席 | 運賃 4,070円 料金 2,950円 | 7,020円 |
| グリーン車 | 運賃 4,070円 料金 6,610円 | 10,680円 |
出雲市〜岡山、おとな片道、通常期。料金は普通車が特急料金、グリーン車が特急料金+グリーン料金。自由席はありません。(出典:JRおでかけネット)
特急料金は時期によって変わり、閑散期は200円引き、繁忙期は200円増し、最繁忙期は400円増しになります。
予約・きっぷの取り方|e5489・えきねっと・みどりの窓口
指定席は、乗車日の1か月前の10:00から発売されます。JR西日本のネット予約「e5489」なら、座席表から席を選べます。駅のみどりの窓口や指定席券売機でも購入できます。
筆者は、乗車券と特急券をJR東日本のネット予約「えきねっと」で購入し、普通車指定席の2号車1番A席(進行方向右側の窓側)に座りました。
おすすめ座席|進行方向左側の窓側
- 理由①:宍道〜松江間で、宍道湖の景色がしばらく続く
- 理由②:伯耆大山〜岸本間で、中国地方最高峰の大山がよく見える
筆者は右側の窓側に座っていたため、宍道湖や大山の写真はデッキのドアの窓から撮影しました。これから乗るなら、席から景色を楽しめる左側がおすすめです。右側の席でも、米子駅の手前にある扇形機関庫が見られます。出雲市方面に向かう場合は、反対の右側の席を選んでください。
ここからは、実際にやくも10号に乗車した様子をご紹介します。
【乗車記】出雲市〜岡山3時間8分、381系の振り子で伯備線を駆け抜ける
出雲市駅|回送で入線した381系と対面

今回乗車するのは、出雲市8:31発の特急「やくも10号」岡山行きです。
381系は自然振り子式のため乗り物酔いしやすく、「ぐったりやくも」と呼ばれることもありました。どんな揺れなのか、楽しみにしながらホームへ向かいます。

8:24ごろ、西出雲駅方面から回送列車として入線しました。ヘッドマークは、すでに「やくも」になっています。
出発までの約6分は写真撮影の時間に。あっという間に発車時刻となり、8:31、定刻に出雲市駅を出発しました。
前日に乗った「サンライズ出雲」の様子は、サンライズツインの乗車記でご紹介しています。
出雲市〜松江|車窓左側に宍道湖が広がる

出発から10分ほどで、最初の停車駅の宍道駅に到着。木次・備後落合方面へ向かうローカル線「木次線」の乗り換え駅で、ちょうど木次線の列車を見ることができました。

宍道駅を出てしばらくすると、左側の車窓に宍道湖が見えてきます。松江駅の手前まで、湖の景色がしばらく続きます。筆者の席は右側だったので、デッキに出てドアの窓から眺めました。

8:57、島根県の県庁所在地・松江駅に到着。ここで少し乗客が増えましたが、車内はまだガラガラといってよいくらいの乗車率でした。8:58、定刻に出発します。
安来〜米子|扇形機関庫を眺めて山陰の玄関口へ

9:13、安来駅に到着。定刻どおりなら、この駅で出雲市行きの「サンライズ出雲」とすれ違います。

米子駅に着く直前、右側の車窓には扇形機関庫と転車台が見えます。中国地方で唯一の現役の扇形機関庫で、周りにはDE10やDD51などの機関車が並んでいました。

9:20、山陰の玄関口・米子駅に到着しました。
伯耆大山〜根雨|大山を眺め、振り子で傾きながら伯備線へ

9:27、山陰本線と伯備線が分かれる伯耆大山駅に到着しました。

駅の隣にはJR貨物の駅があり、たくさんのコンテナ車や、伯備線の貨物列車を引くEF64形1000番台が停まっていました。伯備線を走る貨物列車の始発・終着駅なので、貨物駅も広々としています。

伯耆大山駅を定刻に出発。駅を過ぎると山陰本線と分かれ、いよいよ伯備線に入ります。

左側の車窓には、中国地方最高峰の大山が見えてきます。伯耆大山〜岸本間は田畑が広がり高い建物がないので、天気がよければその姿をはっきり見ることができます。


日野川に沿って、列車はどんどん山の中へ入っていきます。急カーブが続く伯備線でも、381系は振り子で車体を傾け、速度を落とさずに走り抜けます。写真のとおり、カーブではかなり車体が傾いているのがわかります。カーブのたびに体が左右に振られ、「ぐったりやくも」と呼ばれた理由を実感しました。

9:48、根雨駅に到着。ここでは、パノラマグリーン車を連結した出雲市行きの「やくも3号」と行き違いました。伯備線はほとんどが単線のため、途中駅で上下の列車がすれ違います。4分間停車して、9:52に出発しました。
根雨〜新見|谷田峠を越えて岡山県へ

鳥取県最後の駅・上石見駅を通過すると、日野川水系と高梁川水系を分ける谷田峠の谷田トンネルに入ります。ここが鳥取県と岡山県の県境で、車内でも谷田峠の案内放送がありました。

県境を越えると、足立駅で運転停車。出雲市行きの「やくも5号」と行き違いました。

しばらく走ると、右側から芸備線の線路が近づいてきます。次に通過する備中神代駅は、広島方面へ向かう芸備線の起点駅です。ただし、芸備線の列車はすべて新見駅発着で、乗車当時、このあたりは1日数本しか走らない閑散区間でした。

10:36、新見駅に到着。すべてのやくもとサンライズ出雲が停まる主要駅で、姫路からの姫新線と芸備線の列車も発着する、中国山地の交通の要です。
新見〜倉敷|高梁川に沿って山陽へ下る

新見駅を出て、方谷駅で運転停車。下りの「やくも7号」と行き違いました。伯備線は特急の本数が多いうえ、備中高梁から北はほぼ単線のため、特急どうしの行き違いを何度も見ることができます。

分水嶺を越えたので、ここからは高梁川に沿って走ります。もちろん振り子を生かして、左右に傾きながら軽快に駆け抜けていきます。

11:05、備中高梁駅に到着しました。

総社駅で吉備線、清音駅で井原線と分かれ、列車は倉敷を目指して南へ。山陽新幹線の高梁川橋梁をくぐると、まもなく倉敷です。

左に大きくカーブし、右側から山陽本線と合流すると、11:27に倉敷駅に到着。ここからは線形のよい山陽本線を東へ走り、やくもも最高速度の約120km/hで快走します。
岡山駅|3時間8分の旅の終着

11:39、出雲市駅から3時間8分で、終点の岡山駅に到着しました。
乗ってきた列車は一度「回送」表示になり、車内清掃のあと、出雲市行きの「やくも11号」として折り返します。筆者はこの後、岡山から新幹線に乗り、東京方面へ向かいました。
【良かった点・気になった点】
伯備線の急カーブでは、カーブがきついほど車体の傾きも大きくなり、なかなかスリルのある鉄道旅でした。全国で数を減らしていた国鉄型特急に、引退前に乗っておけてよかったと感じています。
【まとめ】
今回は、特急やくも10号の出雲市〜岡山間の乗車記をお届けしました。
381系のやくもはもう走っていませんが、伯備線の景色はそのまま。新しい273系で、ぜひ山陰と山陽を結ぶ旅を楽しんでみてください。
サンライズ出雲の乗車記もあわせてご覧ください。