みなさんこんにちは、tomotabitripです。
今回は、飯山線を走るJR東日本の観光列車「おいこっと」に、始発の長野駅から終点の十日町駅まで乗車してきました。
おいこっとは、千曲川(信濃川)に沿って里山や田園の中をのんびり走る、「ふるさと」がテーマの観光列車です。車内では地元の語り部による昔話や記念撮影もあり、飯山線をゆったり乗り通してみたい方や、手ごろな料金で観光列車の雰囲気を味わいたい方にぴったりの列車です。
この記事では、おいこっとの基本情報・料金・おすすめ座席から、実際の乗車の様子までまとめてご紹介します。
【おいこっととは】

おいこっとは、JR東日本が長野駅〜十日町駅間で運転している観光列車です。
2015年4月にデビューし、主に土休日に1日1往復運転されています。2026年秋は、11月29日までの土休日と10月31日〜11月3日に運転される予定です。冬は例年「雪のおいこっと」として運転されます。長野〜豊野間はしなの鉄道北しなの線、豊野〜十日町間はJR飯山線を走ります。
列車名の「おいこっと(OYKOT)」は、TOKYOを逆から読んだもの。東京の真逆にある「日本人のこころのふる里」をイメージしていて、外観は茅葺き屋根の民家の障子や襖、車内は「おばあちゃんの家」のような古民家風のデザインです。
車内では、沿線の木島平村出身の故・常田富士男さん(「まんが日本昔ばなし」の語り)のナレーションが流れ、アテンダントによる車内販売や記念撮影、地元の方による語りなどのおもてなしもあります。
【基本情報】
| 列車名 | 快速「おいこっと」 |
|---|---|
| 運行区間 | 長野〜十日町(しなの鉄道北しなの線・JR飯山線) |
| 乗車区間 | 長野 9:15発 → 十日町 11:42着(約2時間27分) |
| 使用車両 | キハ110系「おいこっと」 2両編成 |
| 利用したきっぷ | 乗車券:長野〜豊野(しなの鉄道)+豊野〜長岡(JR)/指定席券:1号車10番A席(4人掛けボックス席) |
使用車両|キハ110系「おいこっと」

車両は、JR東日本のローカル線でおなじみのキハ110系を改造した専用車両です。通常は2両編成で、1号車が長野寄り、2号車が十日町寄りになります。
全車指定席で、グリーン車や自由席はありません。
座席は、4人掛けボックス席、2人掛けボックス席、ロングシート(2人掛け)の3種類です。
| 座席タイプ | 座席番号 | 特徴 |
|---|---|---|
| 4人掛けボックス席 | 4・6・8・10番 A〜D席 | 千曲川と反対側。3〜4人のグループ向け |
| 2人掛けボックス席 | 1・3・5・7・9番 A・D席 | 十日町行きの進行方向右側(千曲川側)。1〜2人におすすめ |
| ロングシート(2人掛け) | 11〜13番 AB席・CD席 | 窓を背にして座る2人掛けの座席 |

4人掛けボックス席は、向かい合わせの4人用の座席です。千曲川とは反対側に並んでいて、3〜4人のグループにおすすめです。

2人掛けボックス席は、向かい合わせの2人用の座席です。十日町行きでは進行方向右側の千曲川側に並んでいて、車窓を楽しみたい1〜2人におすすめです。

ロングシート(2人掛け)は、窓を背にして座る座席です。車窓を眺めるにはボックス席のほうが向いています。
ボックス席の間にはテーブルがあります。車内には車いす対応のトイレと、沿線の観光案内を流すモニターがあります。
停車駅・時刻表|おいこっと(長野→十日町)
| 駅名 | 時刻 |
|---|---|
| 長野 | 9:15発 |
| 替佐 | 9:39着 9:40発 |
| 飯山 | 9:53着 10:11発 |
| 北飯山 | 10:13着 10:14発 |
| 戸狩野沢温泉 | 10:22着 10:23発 |
| 上境 | 10:29着 10:30発 |
| 森宮野原 | 11:00着 11:04発 |
| 津南 | 11:16着 11:17発 |
| 十日町 | 11:42着 |
2026年3月14日改正ダイヤ・土曜休日(出典:JR東日本 時刻表「飯山線・しなの鉄道 下り」)
飯山駅では18分、森宮野原駅では4分の停車時間があり、ホームに降りて写真を撮ったり、駅の中を見て回ったりできます。
帰りの長野行きは、十日町13:05発、長野16:02着です。
料金|長野〜十日町
| 座席 | 運賃 | 料金 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 普通車指定席 | 1,860円 | 840円 | 2,700円 |
長野〜十日町、おとな片道。運賃はしなの鉄道(長野〜豊野)260円+JR(豊野〜十日町)1,600円、2026年3月14日改定後。料金は指定席券。
おいこっとは快速列車なので特急券は不要です。乗車券と指定席券があれば乗車できます。
注意したいのが乗車券の買い方です。おいこっとが走る区間のうち、長野〜豊野間はJRではなく、しなの鉄道の区間です。
筆者は長岡まで行ったので、長野〜豊野のしなの鉄道のきっぷと、豊野〜長岡のJRのきっぷを別々に用意しました。
予約・きっぷの取り方|えきねっと・みどりの窓口
指定席券は、乗車日の1か月前の10時から、JRの主な駅のみどりの窓口・指定席券売機、えきねっとで発売されます。えきねっとでは座席表(シートマップ)から座席を指定できるので、座席番号を決めて予約するのがおすすめです。
今回、筆者は1号車10番A席(4人掛けボックス席)を利用しました。
おすすめ座席|2人掛けボックス席(奇数番号)
- 理由①:飯山線は豊野付近から越後田沢付近まで千曲川(信濃川)の左岸を走るため、乗車時間の大半で2人掛けボックス席の側に川が見える
- 理由②:1人〜2人なら窓際を独占でき、テーブルもあって車窓をゆっくり楽しめる
2人掛けボックス席は数が少なく早めに埋まるので、狙う場合は発売日に予約するのがおすすめです。筆者が座った4人掛けボックス席(偶数番号)は千曲川とは反対側で、車窓は山が多めでした。3〜4人のグループなら4人掛けボックス席、車窓より会話を楽しみたいならロングシートも選択肢になります。
ここからは、実際においこっとに乗車した様子をご紹介します。
【乗車記】長野〜十日町2時間半、千曲川と里山をのんびり行く飯山線の旅
長野駅|4番線からおいこっとに乗車

旅のスタートは長野駅。おいこっとは、長野駅の4番線から9:15に出発します。特別なフォントと列車を描いた案内板がおしゃれです。

9:05ごろ、列車到着の放送とともに、北長野駅の方面からキハ110系のディーゼルカーが4番線にやってきました。
長野駅入線の様子。

車内は、おいこっと用の特別な内装になっていますが、おいこっとが運転されない日は普通列車としても使われる車両のため、つり革など一般的な設備も残っています。
また、おいこっととして走るときは各座席に専用のテーブルが置かれ、観光列車らしい雰囲気がありました。

今回の座席は1号車10番A席。千曲川とは反対側に並ぶ4人掛けボックス席の窓側です。
長野〜豊野|しなの鉄道を北へ、豊野で飯山線へ

9:15、おいこっとは時刻どおり長野駅を出発。長野駅を出ると北陸新幹線の線路は進行方向左側に移りしばらく並走します。
列車はしなの鉄道北しなの線を北上していきます。この区間は、北陸新幹線の延伸開業にともなってJRから第三セクターに移管された区間で、もともとは信越本線の一部でした。
現在、おいこっとはこの区間をしなの鉄道の線路を走っていきます。長野駅を出ると、次の停車駅は飯山線の替佐駅です。

豊野駅はおいこっとの停車駅ではありませんが、ここから飯山線に分かれていく都合なのか、一旦運転停車しました。

豊野駅を出発すると、進行方向左側にしなの鉄道の線路が分かれていきます。しなの鉄道は信越本線時代から続く電化区間なので架線が張られていますが、飯山線は非電化区間。ここからは架線のない区間になります。
豊野〜飯山|千曲川と田園地帯の車窓

沿線には田園地帯が広がり、その中を列車は走っていきます。

十日町行きのおいこっとでは、進行方向右側に千曲川が流れる様子を見ることができるので、おすすめの座席は進行方向右側の席です。替佐駅を過ぎたあとは、再び千曲川と並走する区間があり、進行方向右側には、上の写真のような景色が広がっていました。
飯山駅|18分停車で、まるしぇとからくり時計

9:53、列車は飯山駅に到着。飯山駅では18分間の停車時間があります。
おいこっとが運転される日だけ、飯山駅の構内には特産品を売る「おいこっと まるしぇ」が開かれるので、ぜひ立ち寄ってみてください。筆者はここで信州名物のおやきを購入しました。

また、10時になると飯山駅に設置されたからくり時計が動くということで、車内でもからくり時計の見学をすすめるアナウンスがありました。

駅には記念撮影用のパネルも設置されていたので、記念に1枚撮ってみてはいかがでしょうか。
北飯山〜戸狩野沢温泉|地元の語り部が乗車

10:11、時刻どおりに飯山駅を出発。飯山駅を出発するとひと駅となりの北飯山駅にも停まります。北飯山駅は新幹線駅の飯山駅とは対照的に、ローカルな雰囲気の駅でした。
北飯山駅を出発するとおもてなしとして地元の語り部の方々が、沿線に伝わる物語を語ってくれました。ナレーションとはまた違う生の語りを聞きながら里山の中を進む時間は、「ふるさと」をテーマにしたおいこっとらしいひとときです。

10:22、戸狩野沢温泉駅に到着。飯山線の拠点駅のひとつとして、この駅を始発・終着とする列車も設定されています。
駅名に野沢温泉の名がありますが、現在の野沢温泉へのアクセスは飯山駅からのバスが便利です。
戸狩野沢温泉〜森宮野原|山あいを千曲川に沿って

戸狩野沢温泉駅を出発すると、再び千曲川と並走する区間になります。両側に山が迫り、そのすぐそばを川が流れる景色を楽しめます。
飯山線は、千曲川が刻んだ山あいを川に沿って走っていきます。
森宮野原駅|JR日本最高積雪地点の標柱

11:00、森宮野原駅に到着しました。ここでは4分間の停車時間があり、列車からホームに降りて写真を撮る時間がありました。

森宮野原駅は、JRの日本最高積雪地点として知られています。昭和20年(1945年)2月12日に7.85mの積雪を記録し、その高さを示す標柱がホームの横に立っています。森宮野原駅に立ち寄ったら、ぜひ見てみてください。
森宮野原駅は長野県最後の駅で、森宮野原駅と足滝駅の間に長野県と新潟県の県境があります。この県境を越えると、千曲川は信濃川と名前を変えます。次に通過する足滝駅は、もう新潟県の駅です。
森宮野原〜十日町|新潟県に入り、信濃川を渡る

11:16、新潟県に入って最初の停車駅となる津南駅に停車しました。津南駅の駅舎には日帰り温泉「リバーサイド津南」が併設されていて、駅の中で温泉に入れます(営業は14時から)。機会があれば、途中下車して立ち寄ってみたいところです。

越後鹿渡駅で運転停車。
この先に飯山線で唯一信濃川(千曲川)を渡る区間があり、これまで進行方向右側に見えていた川が左側に移ります。この橋梁区間は景色が良い場所ということで、おいこっとでは徐行運転が行われるのでお見逃しなく。
十日町駅|ほくほく線と合流して終点へ

進行方向左側から北越急行ほくほく線の線路が合流してくると、おいこっとの旅もまもなく終わりです。

11:42、列車は時刻どおり終点の十日町駅に到着しました。
乗ってきたおいこっとはこのあと車内清掃等を行い、13:05発の長野行きとして来た道を戻っていきます。十日町駅では約1時間20分停車することになります。

おいこっとが到着したホームの向かい側には、越後川口行きの普通列車が停車していました。筆者はここから普通列車で越後川口駅へ向かい、上越線に乗り継いで長岡まで旅を続けました。
【良かった点・気になった点】
座席は山側でしたが、語り部の物語や記念撮影、飯山駅での停車時間など、車窓以外にも楽しみが多く、2時間半があっという間でした。次に乗るときは、千曲川側の2人掛けボックス席から川の車窓もじっくり眺めてみたいと思います。
【まとめ】
今回は、おいこっとの長野〜十日町間の乗車記をお届けしました。
派手さはありませんが、そのぶん飯山線の「ふるさと」の雰囲気をゆっくり味わえるのがおいこっとの魅力です。長野から新潟方面へ向かう旅の途中に、ぜひ組み込んでみてください。
小海線の乗車記もあわせてご覧ください。